戸建てには注文住宅と建売住宅の2種類があり、どちらを選ぶべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。注文住宅と建売住宅は、それぞれ特徴に違いがあるため、一概にどちらがおすすめとは言い切れません。
この記事では、注文住宅と建売住宅を、価格や性能、自由度など6つのポイントから違いを比較します。それぞれのメリットとデメリットを比較しながら、自分に合った家づくりを始めましょう。
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戸建て住宅には、大きく分けて「注文住宅」と「建売住宅」の2種類があります。
注文住宅は、土地を選び、設計から建築まで自分の希望を反映して、自由にカスタマイズできる住宅です。家族構成やライフスタイルに合わせた理想の住まいを実現できます。しかし、建築期間が長く、費用が比較的高めになる傾向があります。
一方、建売住宅は、土地と住宅がセットで販売される住宅。あらかじめ設計・建築されているため、購入後すぐに住める点や比較的手頃な価格が魅力です。しかし、間取りや仕様の自由度が少ない傾向にあります。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分が優先したいポイントや予算に応じて選びましょう。
注文住宅と建売住宅には、価格や設計の自由度、施工期間などにおいて、さまざまな違いがあります。
ここからは、それぞれの特徴を比較し、どちらが自分に適しているのかを判断していきましょう。どちらが自分に合っているか、家づくりを考える際の参考にしてください。
まずは、注文住宅と建売住宅の価格の違いを見ていきましょう。
住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」では、注文住宅と建売住宅の平均価格は下記の結果でした。
物件の種類 | 2022年の物件の平均価格 | 2023年の物件の平均価格 |
土地あり注文住宅 | 4,694万円 | 4,903万円 |
建売住宅 | 3,719万円 | 3,603万円 |
中古戸建 | 2,704万円 | 2,536万円 |
引用:住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」
「2023年度 フラット35利用者調査」
立地によっても価格は異なるため、必ずしも注文住宅の方が高額になるとは限りません。しかし、建売住宅と比較して、注文住宅は1,000万円以上も平均価格が高くなっています。
注文住宅は、土地を購入したあとに設計や仕様を自由に決められるため、こだわりが強いとコストが高くなりやすいです。
一方、建売住宅はあらかじめ設計や仕様が決まっているため、価格が固定化されやすい特徴があります。そのため、初期費用を抑えられ、予算の見通しが立てやすい点が魅力です。
注文住宅は、設計士と相談しながら間取りや設備を自分の好みにカスタマイズできるため、家族構成やライフスタイルに合わせた理想の住まいを実現できます。間取りや設備の自由度の高さが、注文住宅の最大の魅力でしょう。
反対に建売住宅は、すでに設計が決まっているため、必ずしも自分好みの間取りや設備とは限りません。また、自分の要望を反映することも難しい場合が多いです。
ただし、完成品を見て選べるため、失敗を防ぎたい方や好みが特にない方にとっては必ずしもデメリットではないでしょう。
注文住宅は、自分で土地を持っていない場合、土地探しからする必要があります。そのため、希望の地域や条件に合った土地に家を建てたい場合はおすすめです。ただし、人気のあるエリアでは土地価格が高騰し、希望の土地が見つからない場合もあるため注意しましょう。
一方、建売住宅は土地と住宅がセットで販売されるため、立地がすでに決まっています。利便性が高い地域で販売される場合もありますが、選択肢が限られるため、必ずしも希望通りの立地とは限りません。
注文住宅は、土地探しから設計、建築まで一から進めるため、完成するまでに半年から1年以上の時間がかかります。理想の間取りや設備を実現できるメリットがありますが、時間を確保しなければいけません。
その反面、建売住宅はすでに完成した状態で販売されるため、購入後すぐに入居できる点が特徴です。土地選びや建築期間を省略できるため、転勤や引越しなどで早急に住まいが必要な場合に向いています。
注文住宅は、建築時にこだわりの仕様や将来のリフォームを考慮した設計が可能です。また、使用する素材や構造も事前に把握できるため、部分的な改修や増改築にも柔軟に対応できます。
反対に、建売住宅はあらかじめ規格化された設計で建てられるため、内部構造や設備に制約がある可能性も考えられます。そのため、大規模なリフォームや変更を計画する場合は、追加コストが発生したり、対応が難しくなる恐れがあるでしょう。
注文住宅は、建築時に最新の断熱材や高性能の設備を選べるため、エネルギー効率や耐震性などの性能を重視した設計が可能です。また、自分のこだわりや地域の特性に応じて最適な建材や工法を採用できる点も魅力でしょう。
一方、建売住宅は標準仕様で建てられることが一般的です。そのため、性能は一定の基準を満たしているものの、注文住宅ほど細かく性能を追求することは難しい場合があります。
ただし、近年の建売住宅でも性能向上が進んでいるため、コストパフォーマンスがよいケースも多いです。建売住宅で高性能の設備を取り入れたい場合は、追加費用を支払えば実現できる可能性もあるため、建築会社に相談しましょう。
住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」によると、フラット35を利用して購入した住宅の割合は以下のとおりでした。
物件の種類 | 2022年の割合 | 2023年の割合 |
土地付き注文住宅 | 31.3% | 29.1% |
注文住宅 | 14.1% | 15.1% |
建売住宅 | 21.8% | 20.4% |
引用:住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」
土地付きも含めた注文住宅と建売住宅で比較すると、注文住宅の割合が高いことがわかりました。「せっかく戸建てを購入するなら」と、自分好みのこだわりのある家を建てたいと考える方が多いのではないでしょうか。
全体で見ると、既存の土地に家を建てる方は少なく、注文住宅を建てるために土地から探しているケースが多数でした。
建売住宅の購入を考えている方の選択肢として、中古建売住宅を検討している方もいるのではないでしょうか。
住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」の結果でも、中古建売住宅を購入した方は年々増えています。
物件の種類 | 2020年の割合 | 2021年の割合 | 2022年の割合 | 2023年の割合 |
中古建売住宅 | 10.6% | 12.7% | 12.8% | 15.3% |
引用:住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」
中古建売住宅は、新築と比較して予算を抑えられるため、安く購入してリフォームやリノベーションにお金をかけるケースも多いです。今後、さらに土地が限られてくることを予想すると、中古建売住宅の人気はより高まるでしょう。
ここまで、注文住宅と建売住宅の特徴の違いを見てきました。それぞれメリットとデメリットがあるため、どちらが自分に合った選択肢なのかを見極める必要があります。
ここからは、注文住宅と建売住宅のメリットとデメリットを解説します。家づくりの第一歩として、納得のいく選択をするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
注文住宅の最大のメリットは、自由度の高さです。土地探しから間取り、設備やデザインまで自分の希望を反映できるため、家族構成やライフスタイルに合った住まいを実現できます。
また、最新の建材・設備の採用、断熱性や耐震性などの性能面にこだわることも可能です。リフォームにも柔軟に対応できるため、将来的なリフォームや増改築を見据えた設計を取り入れて、長期的な住みやすさも追求できます。
自分の理想の家を建てたい方は、注文住宅がおすすめです。
注文住宅のデメリットは、費用と時間の負担が大きい点です。土地の購入費用に加え、設計や建築費用がかかるため、総額が高額になるケースが多く、予算管理が重要になります。
また、設計から建築完了までに半年から1年以上かかるため、入居までの期間が長くなる点もデメリットです。設計や仕様の打ち合わせに多くの時間や労力が必要になり、希望を反映させるために意思決定の連続が求められます。
土地探しや工事中のトラブルなど、計画通りに進まないリスクもあるため、長期的に家づくりに取り組まなければいけません。
建売住宅の最大のメリットは、手軽さとコストパフォーマンスのよさです。土地と建物がセットで販売されているため、土地探しや設計の手間がなく、購入後すぐに入居できるスピーディーさが魅力です。
また、あらかじめ建築されているため、完成した住宅を見てから購入を決められる安心感もあります。価格が比較的抑えられており、総費用の見通しが立てやすい点もメリットでしょう。
家づくりにあまり時間をかけられない方や、家にこだわりがない方は建売住宅がおすすめです。
建売住宅のデメリットは、自由度の低さと選択肢の制限がある点です。建売住宅はあらかじめ設計が決まっています。そのため、間取りやデザイン、設備を自分の好みに変更することが難しく、ライフスタイルや家族構成に合わない場合もあります。
内部構造や使用されている建材の詳細がわかりにくい場合があり、性能や品質に関する不安を感じるケースも少なくありません。また、立地があらかじめ決まっているため、希望通りの地域や条件で選べない可能性もあるでしょう。
将来的なリフォームや増改築が必要になる場合も考えられるため、長期的な視点で慎重に検討しましょう。
注文住宅と建売住宅は大きな違いがあるため、それぞれの特徴を把握することが大切です。
価格や自由度、施工期間などのポイントを比較し、自分のライフスタイルや予算に合わせて後悔のない家づくりをしましょう。
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