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20代で貯金600万円ある人はどれくらいいる? 実践できる資産運用を紹介

松浦大地|サムネイル
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松浦大地

「貯金がある程度貯まったけれど、どこまで貯めれば十分なのかわからない」

 

「今ある貯金をもっと増やす方法を知りたい」

 

貯金が600万円ある20代の方でこのように考えている方も多いことでしょう。

 

一方で、貯金が600万円に満たない場合は、600万円を目標に設定して貯金を進める目安にもなりやすい数字です。

 

なぜなら、貯金が600万円あれば、さらに貯金を増やせる資産運用の選択肢も増えるからです

 

今回は、20代貯金が600万円ある人の割合や600万円で貯金が十分であるかを確認したうえで、多くの人が実践できる支出を減らして貯金を増やす方法と600万円あれば実践できる資産運用の方法を紹介します。

20代で貯金が600万円ある人の割合

20代貯金が600万円ある人がどれくらいいるのか、下記にデータをまとめました。

 

20代の貯金額の割合【金融資産(株式・投資信託など)を含む】

 

貯金額 割合
100万円未満 22.6%
100万円~200万円未満 11.5%
200万円~300万円未満 6.4%
300万円~400万円未満 4.6%
400万円~500万円未満 2.6%
500万円~700万円未満 3.6%
700万円~1,000万円未満 2.6%
1,000万円~1,500万円未満 1.1%
1,500万円~2,000万円未満 0.4%
2,000万円~3,000万円未満 0.4%
3,000万円以上 0.5%

『金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)』より筆者作成

 

20代の貯金額のデータ

 

平均値 176万円
中央値 20万円
500万円以上貯金している人の割合 8.6%

『金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)』より筆者作成

 

貯金600万円が属する貯金額が500万円~700万円未満の人の割合は3.6%であり、500万円以上貯金している人の割合は8.6%です。

 

よって、貯金が600万円ある人は20代のなかでは上位10%に入ることがわかります。

 

同年代でデータを比較すれば、600万円の貯金を保有しているのは大きなアドバンテージといえますし、貯金をするうえで目標になりやすい数字といえるでしょう

 

20代で貯金600万円は十分であるか?

 

20代で貯金が600万円あることに対して、全体と比較したときの現状は十分といえるかもしれません。

 

しかし、近い将来や老後を見据えたとき、貯金600万円は十分といえるのか考えておくことは、次の目標や長期の目標の設定につながります。

 

近い将来を考えたとき、貯金600万円は十分であるかを考えていきます。

 

20代で近い将来、経験するライフイベントを考えたとき、貯金を取り崩すほどの大きな費用がかかる代表的なイベントは、結婚式、出産、子どもの教育、住宅の購入の4つのイベントが挙げられます。

 

教育費に関しては、20代から近い将来といえる子どもが10歳ごろになるまでの幼稚園と小学校の学費に着目し、代表的な4つのイベントで発生する費用の内訳の平均データを以下にまとめました。

 

結婚式・出産の費用

ライフイベント 費用
結婚式(挙式、披露宴・ウエディングパーティーの総額) 約304万円
出産 約47万円

ゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べ』『出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)の結果等について』より筆者作成

 

結婚式・出産の費用は合わせて約351万円であるため、貯金が600万円あれば、上記の費用は賄えるため十分といえます。

教育にかかる費用(学習費の総額)

ライフイベント 費用
公立幼稚園 約16万円
私立幼稚園 約30万円
公立小学校 約35万円
私立小学校 約166万円

令和3年度子供の学習費調査』より筆者作成

子どもの教育にかかる費用は、公立に通わせるか、私立に通わせるかで大きく異なります。

 

幼稚園・小学校ともに公立に通わせる場合は教育費は合計で約51万円になりますが、私立に通わせる場合は約201万円となります。

 

結婚式・出産の費用・教育にかかる費用(私立)では約552万円となるため、貯金が600万円あれば賄える計算になります。

 

公立の場合は貯金が600万円あれば十分に余裕を持てる貯金額といえるでしょう。

 

住宅購入にかかる費用(所要資金)

ライフイベント 費用
注文住宅 約3,717 万円
土地付き注文住宅 約4,694 万円
建売住宅 約3,719 万円
マンション 約4,848万円
中古戸建 約2,704万円
中古マンション 約3,157万円

フラット35 利用者調査 2022』より筆者作成

 

住宅購入にかかる費用に関しては、貯金額が大きい場合や住宅の価格が安い場合などを除いて、住宅ローンを組んで購入することが一般的です。

 

そのため、実際に貯金を取り崩して支払う一括した費用は住宅ローンの頭金諸費用です。

 

頭金と諸費用は組む住宅ローンによって発生するかどうかも異なりますが、頭金が住宅の購入価格の10%、諸費用が5%の15%と考えてシミュレーションして目安を求めてみましょう。

 

例えば、土地付き注文住宅であれば「4,694万円×15%=約704万円」が住宅ローンを組む時に支払う頭金と諸費用の目安です。

 

購入する住宅やローンによって貯金600万円で十分であるか、十分でないかは変わってくるところですが、結婚式、出産、子どもの教育、住宅の購入のライフイベントを経験するのであれば、600万円では十分とはいえません

 

加えて、貯金を取り崩すタイミングで万が一の病気や怪我に備えて貯蓄しておく、生活予備資金を取り崩すことがないように気をつけましょう。

 

生活予備資金は最低でも半年分の生活費を用意することが推奨され、毎月の生活費が13万円であれば「13万円×6ヶ月=78万円」は常に手元に置いておきたいところです。

 

貯金600万円で十分であるかどうかは、将来に予定しているライフイベントによって異なることがわかります。

 

20代が実践できる支出を減らして貯金を増やす方法

貯金を増やすためには、収入を増やすアプローチだけではなく、支出を減らすアプローチを同時に行うことが効率的な方法となっています。

 

そのため、今よりも効率的に貯金を増やしたいと思っている方は、下記の方法を実践して貯金を増やしましょう。

 

20代が実践できる支出を減らして貯金を増やす方法を3つ紹介します。

 

・毎月の収支を家計簿をつけて把握する
・固定費を中心に生活費を見直す
・普段の買い物にも目的意識を持つ

 

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

毎月の収支を家計簿をつけて把握する

まずは、家計簿をつけることで毎月の収支を把握することから始めましょう。

 

家計の収入と支出の流れを記録することで、無駄な支出を発見しやすくなります。

 

支出の流れを把握しやすくし、家計簿を付けやすくする工夫には、支払いをできる限りクレジットカードなどに統一することが挙げられ、支払い履歴をアプリなどから確認できれば家計簿を付けるのに役立つはずです。

 

クレジットカードには支払額に応じてポイントが付くカードもあるので、クレジットカードに支払いを統一すること自体が節約につながるため、メリットは大きいといえます。

 

また、家計簿も現在ではスマートフォンアプリで記帳できるものも存在するため、ご自身のやりやすいやり方で家計簿をつけることをおすすめします

 

固定費を中心に生活費を見直す

家計簿をつけた後は、生活費を見直し、無駄な支出を減らしていきます。

 

しかし、どこから見直せば良いのかわからない方は、固定費から見直すことをおすすめします。

 

なぜなら固定費は毎月一定でかかる費用であるため、費用を削減できれば値上がりが発生したケースを除いて、恒久的に費用を削減できるからです。

 

電気・ガス・水道などのライフライン、携帯料金なども会社でプランを比較して費用を見直し、使用していないサブスクリプションがある場合は解約するなどの対応を行えば効率的に支出を減らせます

 

外食費や娯楽費など、一時にかかる費用はご自身に使い過ぎている自覚がある場合を除いて、固定費の次に見直すポイントになります。

 

普段の買い物にも目的意識を持つ

最後に普段の買い物にも目的意識を持つようにして、支出を減らすようにしましょう。

 

外食費や娯楽費など、必ずしも生活に必要がない費用に使い過ぎの自覚がある場合は、自身にとって必要があるかどうか目的意識を持つことで出費を抑えやすくなります。

 

特に慎重に検討して欲しい買い物は、新たに固定費がかかる契約やサブスクリプションであり、契約する前に恒久的に使用し続けるかどうかを考え、ご自身のなかで使用しなくなったタイミングで必ず解約するなど、解約の基準を設けて利用することが重要です。

 

家計簿をつけ、定期的に支出を見直し、普段の買い物から目的意識を持つことで、無駄な支出を減らし、貯金を効率的に増やせます

 

20代が600万円を利用して貯金を増やすには?

貯金をある程度貯めた方は、今ある貯金を利用して収入を増やすことが、効率的に貯金ができる方法となっています。

 

収入を増やすなら副業を始める方法もありますが、貯金が600万円あるなら資産運用を始めて収入を増やすことがおすすめです。

 

なぜなら、副業で収入を増やすには本業と並行してスキルの習得や地盤を固める必要があり、ご自身の余暇を削って収入を増やすには限界があります。

 

しかし、資産運用であれば時間をかけずとも現在ある貯金を利用して、収入を増やしていけるため、効率が非常に良いといえます。

 

20代の方がどのような資産運用を始めているのか下記にデータをまとめました。

 

資産運用 実践している人の割合
債券 4.4%
貯蓄型保険(生命保険・損害保険) 13.1%
株式 17.5%
投資信託 20.8%

『金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)』より筆者作成

 

債券や貯蓄型保険などの比較的リスクが低く、手堅く運用できる資産運用を始めている方もいますが、20代であればある程度リスクを取れるため、期待できるメリットが大きい株式や投資信託を積極的に実践する人は2割になりました。

 

また、資産運用は貯蓄があるほど選択肢が増えるため、貯金が600万円ある場合は選択肢が多く、アドバンテージが大きくなります

 

20代が600万円から実践できる資産運用

20代が600万円から実践できる資産運用を6つ紹介します。

 

・個人向け国債
・貯蓄型保険
・投資信託
・株式投資
・実物資産(アンティークコイン・ウイスキーカスクなど)
それぞれ詳しく見ていきましょう。

個人向け国債

債券は、国や企業が発行する借用書であり、保有によって発行元は元本の返済と利息などの支払いの義務を負います。

 

しかし、債券は個人が購入するには高額になることも多いため、個人でも購入しやすいように1万円から購入できる債権が個人向け国債です。

 

個人向け国債は、その名のとおり国が個人に対して発行する債券であり、購入時に期間や金利タイプを指定します。

 

発行元が国であるため信用性が高く、期間を指定できることから貯金の目標にもあわせやすく、安心して始めやすい資産運用といえるでしょう

 

リスクが低い反面、金利などのメリットも低い傾向にあるため、リスクを取っても高いメリットを追求したい場合は向いていないかもしれません。

 

貯蓄型保険

貯蓄型保険は保険料を掛け捨てるのではなく、保険料を貯蓄して満期に還元されるタイプの保険になります。

 

そして、満期時に支払われる保険金は、払った保険料よりも高くなりやすいことから、リスクが低く複数のメリットがある資産運用として知られています。

 

貯蓄型保険は保険であることから、万が一のときには保障が受けられるため、資産運用だけでなく保険の役割を果たすことが最大の特徴です。

 

保険料の払い込みを行いながら貯金をしつつ、万が一に備えながら、満期時には収入を挙げられる手堅い方法で資産運用を行いたい方におすすめです

 

保険料の支払いは毎月積み立てる方法と一気に払い込む方法があり、貯金が600万円あるなら、ある程度一気に払い込むことも可能でしょう。

 

ただし、貯蓄型保険は途中解約すると解約返戻金が支払った保険料よりも安くなることもあるため、リスクを承知したうえで始めましょう。

 

関連記事

 

投資信託

投資信託は、投資のプロであるファンドマネージャーに運用を依頼する方法となっているため、資産運用が初めての方でも実践しやすい方法です。

 

投資信託の種類によっては100円から始められる商品もあるため、600万円の貯蓄の有無にかかわらず、多くの20代が始めやすい投資方法となっています。

 

まとまったお金を一括投資するよりも、毎月一定額を投資し続けるほうが、リスクが少なく初心者向けとされているため、積立投資を実践したい方におすすめです。

 

貯金が600万円あるなら、毎月の収入だけでなく少しずつ貯金を取り崩しながら一定額を投資し続けることもできるでしょう

 

投資信託は基準価額が下がると元本割れのリスクがある金融商品であるため、投資方法を含めてよく考える必要があります。

 

株式投資

株式投資は企業が発行する株券を購入することで、配当や優待などの還元、株主になることで得られる議決権などの権利を得られる投資方法です。

 

日本の株式を購入するために必要な資金は、100株単位で計算されることが多く、株価が1,000円の株式を購入するなら10万円がかかる計算です。

 

なかには1株から購入できる証券会社なども存在しますが、100株単位で購入する前提であれば他の投資方法と比較して投資資金がかかるため、貯金が多いほうが購入できる株数も多くなるためアドバンテージがあります

 

また、日本だけでなくアメリカなどの海外の株式を購入する選択肢もあるため、選択肢が広いことからご自身で理解して投資対象を選定する必要があります。

 

投資信託と同様に株価の上下にリスクがあり、投資について勉強する必要がありますが、20代であればリスクを取りやすいことから目標とする貯金額によっては検討したい投資方法です。

 

実物資産(アンティークコイン・ウイスキーカスクなど)

600万円から実践できる資産運用には、従来の投資とは異なる方法も存在します。

 

それが実物資産への投資であり、アンティークコインやウイスキーカスクは一定の貯金がある方におすすめできる新たな資産運用の方法として知られています。

 

アンティークコインは、100年以上前に発行された希少性の高いコインを購入し、保有を続けることで売却時の利益を期待する投資方法です。

 

希少性の高い人気のアンティークコインは、年々、値上がりする傾向にあり、完成度の高いデザインのコインを収集しながら資産運用ができるため、世界中の富裕層を中心に人気を集めています。

 

ウイスキーカスクは、ウイスキーを樽ごと購入し、保有を続けて樽のなかで熟成を重ねることで価値の上昇を期待する投資方法です。

 

ウイスキーは、同じ種類であれば熟成年数が10年のものと20年のものでは、20年のもののほうが高くなるため、長期の資産運用に適した商品として近年では話題となっています。

 

アンティークコインやウイスキーカスクに限らず、資産運用の手段として優れている実物資産は存在するため、広く目を向けると選択肢が広がります

 

まとめ

20代で貯金が600万円ある人は、ライフプランによっては近い将来において賄うべき資金の準備はできているため、十分といえるかもしれません。

 

しかし、老後の資産形成などを考えれば、特に貯金を取り崩す目的がなければそのままのペースで貯金を続けるほうが安心であり、今ある貯金を利用して資産運用をすれば、貯金がない方と比較して高いアドバンテージを持った状態で資産運用を始められます。

 

ライフイベントなどで600万円以上の貯金が必要になる予定の方や、今ある貯金を利用して資産運用を始めたいと思った方は、知識がない状態で始めるのは難しいため、お金のプロに相談するのもおすすめです。


この記事を書いた人
松浦大地
幼少期や学生時代の学費の工面において窮した経験から、自身のお金のことは自分で考えなければいけないという自衛意識が芽生える...
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