物価が上昇し、日々の生活で手一杯で貯金ができないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
特に冬はガス代をはじめ、光熱費がかかりやすいことから、やりくりをどうしようか焦りを感じる方もいるでしょう。
今回は年収400万円の方の貯金額や、貯金するコツをご紹介します。
家族構成や家計の状況によって、貯金できる金額は違いますが、収入と支出の差額が貯金に回せるため、貯金を増やすためには「収入を増やす」か「支出を減らす」しかありません。
具体的な方法をご紹介するので、ぜひ一つでも取り入れてみてください。
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年収400万円の方はどれくらいいて、いくら貯金をしているのでしょうか。今回はデータを使いながら、年収400万円の方の貯金事情を見ていきましょう。
国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査ー調査結果報告ー」によると、2022年の平均給与は458万円となっています。
また、給与が「300万円超400万円以下」の方は16.5%、「400万円超500万円以下」の方は15.3%となっており、年収400万円台の方が3人に1人程度いることがわかります。
社会保険料や税金が引かれるため、400万円そのままが手元に残るわけではありません。
年収400万円の方の手取りは約300〜320万円で、月々にすると約25〜26万円となります。
一人暮らしの場合、贅沢をする余裕はないかもしれませんが、十分に生活できるでしょう。
結婚して子どもがいる場合、子どもが成長するにつれ、習い事や教育費が必要になるため、工夫が必要になるでしょう。
年収400万円の方はどれくらい貯金をしているのでしょうか。金融広報中央委員会「令和4年(2022年)家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯][単身世帯]」によると、世帯別に見た平均値と中央値は下表のとおりです。
単身世帯 | 二人以上世帯 | ||
平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 |
796万円 | 200万円 | 1,052万円 | 310万円 |
平均値・中央値ともに二人以上の世帯の方が高くなっています。
しかし、平均値と中央値の差を見ると、どちらの世帯もかなり開いていることから、貯金ができている世帯とできていない世帯の差が広がっていることがわかります。
中央値は単身世帯で200万円、二人以上の世帯で310万円となっており、200〜300万円前後が多いようです。
人それぞれ家族構成や家計の状況が違うため、一概に言えません。しかし、一般的には手取りの10〜20%が無理なく貯金できるとされています。
年収400万円の方の場合、月々2万5,000円〜2万6,000円が目安となります。
「これだけか……」と落ち込む必要はありません。貯金は細く長く続けるのが大切です。
例えば、2万5,000円を1年間貯められると30万円になります。30万円もあれば家電を買ったり、旅行に行ったりできる金額になるでしょう。
無理のない金額で貯金を続けることを意識しましょう。
年収400万円であれば、一人暮らしで贅沢をしなければ十分に生活できます。それにもかかわらず「貯金ができない」ということは原因があるはずです。
どういった原因が考えられるのかを見ていきましょう。
貯金ができない原因として、収支を把握していないことが挙げられます。収支を把握していなければ、収入に対して支出はどれくらいなのか、支出に無駄はないかなどがわかりません。
何に対していくら使っているのかを把握するようにしましょう。お金を使ったあとは、帰宅後すぐに財布からレシートを出し、家計簿をつけるといいでしょう。
レシートを撮影しただけで自動的に読み込んでくれるアプリもあります。お金を貯められる人は、お財布がスマートです。
レシートを入れっぱなしにすることのないようにしましょう。
年収400万円の方で貯金ができない原因の一つとして、固定費が高いことも考えられます。
昔は「家賃は給与の3割まで」などと言われていましたが、物価も高くなっている現在、3割にしてしまうと生活に余裕がなくなってしまいます。
シェアハウスに住んだり、家賃の低いところに引越したりなど、家賃を抑えられないか考えてみましょう。一時的に引越し代はかかりますが、家賃を安く抑えられれば、貯金に回せる金額が増えます。
家賃だけでなく、インターネットの通信料や保険料など、毎月必ず支払う必要がある固定費が、収入に対する割合が多かった場合、なかなか貯金は難しいでしょう。
収入と支出の差が貯金となるため、貯金できる金額を増やすためには「収入を増やす」もしくは「支出を減らす」必要があります。
それぞれの項目でどういったことができるのか、具体的に見ていきましょう。
収入を増やす方法としては、下記の方法があります。
勤務先で昇進や昇給を目指すのも一つの方法です。もし、昇給や昇進を望めないようであれば、副業を始めたり、転職をするのも一つでしょう。
副業を始める際には、自分のスキルを活かせる分野を探しましょう。無理をして身体を壊してしまっては本末転倒です。
一度読んだきりでそのままの本や気に入らなくてあまり着ていない服などがあれば、フリマアプリで売ってみましょう。
梱包や発送などの手間はかかりますが、お金も手に入るだけでなく、家もきれいになります。少額であっても数が多ければ、家計の足しになるでしょう。
貯金をする上で支出を減らすことは欠かせません。支出を減らすために、まずは自分が何にお金を使っているかを把握しましょう。
今は家計簿アプリもいろいろあり、金融機関の口座と連携できるものもあります。項目ごとに自動で仕分けをしてくれるため、何にお金をよく使っているか、わかりやすくなっています。
支出を減らすポイントとしては、下記のようなものがあります。
・毎月の固定費を見直す
・自炊を増やす
・ATMの手数料がかからないようにする
・クーポンやセールを活用する
固定費とは毎月必ずかかる費用のことで、通信料や保険料などが該当します。スマートフォンのプランが適正なものになっているか見直してみましょう。
また、キャリアスマホを使っているのであれば、格安SIMに乗り換えるのも一つです。
外食が多い方は自炊する回数を増やしてみましょう。作り過ぎた料理は次の日にアレンジして回す、冷凍しておくなどすれば、その分食費も抑えられます。
また、ATMの手数料がかからないようにしましょう。何回も下ろしていると手数料がかかるだけでなく、「まだあるから大丈夫」と本来下さなくていいお金まで使ってしまいます。
ATMからお金を下ろすのは月に1回と決め、そのお金でやりくりすると、貯金もできるようになるでしょう。
さらに、クーポンやセールを活用するのも一つです。ただし、クーポンを使うために買い物をするのはやめましょう。
「お得だから」とクーポンのために買い物をすると、買わなくていいものにまでお金を使ってしまいます。
買いたいもののためにクーポンやセールを活用しましょう。
貯金を「特別なこと」ではなく、日常の一部としておこなうことで、無理なく継続的に貯金ができるようになります。具体的には次のような方法があります。
貯金を続けるためには、無理なくできるように仕組みを作ることが大切です。このあとで仕組みについて紹介します。
お金の情報サイト「まねーぶ」の「貯金実態調査」によると、貯金保有額が1,000万円以上ある方の貯金を続けている期間は平均で13.3年となっています。
なお、一番多かったのが15年以上で44%でした。このことからも、いかに続けやすい仕組みを作り、長く続けることが大事なのかがわかります。
「貯金しないといけないのはわかっているけどできない」という方もいるでしょう。ここではコツコツ貯金をするのが苦手な方にピッタリな、無理なく貯金ができる商品をご紹介します。
定期預金とは、あらかじめ期間を指定した上で、銀行にお金を預ける商品です。普通預金と比較して、一般的に金利が高く設定されています。
指定した期間を過ぎるまでは、中途解約をしない限り、お金を引き出せません。なかには目的別に口座を設定できる銀行もあります。
例えば、「旅行用」「車の購入用」など目標額を決めて積み立てていくことが可能です。
一度、給与の振り込みをしている口座に定期預金がないか調べてみましょう。
もし普通預金口座から自動的に振り替えるサービスがあれば、利用しましょう。一度設定するだけで自動的に貯金ができるようになります。
また、勤務先に財形貯蓄制度や企業型確定拠出年金制度がないか確認してみましょう。これらは給与から天引きされ、自動的に積み立てていくことができます。
投資信託とは、投資家から集めたお金を、運用のプロがさまざまな資産に分散して投資をする商品です。
1つの商品を購入するだけで、株式や債券など、いろいろな資産への分散投資が可能です。また、長期的に運用をおこなうことで、安定した利益を目指すことができます。
「貯金もできないのに投資なんて……」と思われるかもしれませんが、今では少額からでもできる商品があります。
2024年からは新NISAが始まり、さらに使い勝手がよくなります。通常、運用益には約20%の税金がかかりますが、無期限で非課税となります。
また、投資できる枠も大きくなり、一生涯で1,800万円までとなりました。もちろん、投資にはリスクがあるため、無理のない範囲で始めましょう。
年収400万円で貯金ができない方には貯蓄型保険もおすすめです。貯蓄型保険とは、保険料を支払うことで、将来の保障と貯蓄を同時におこなえる商品です。
具体的には、「満期保険金」が保険料の払い込み期間を満了した際にもらえます。また、途中で解約した場合には、「解約返戻金」と言って、それまで払い込んだ保険料の一部が払い戻されます。
つまり、保険料として払いながら、同時に貯金もしていることになります。ただし、解約返戻金は払い込んだ保険料より下回ることが多い点を覚えておきましょう。
iDeCo(個人型確定拠出年金、以下iDeCo)も、貯金ができない方におすすめです。
iDeCoとは、自分で決めた掛金を払い、運用をおこなう年金制度です。掛金は全額所得控除の対象となるため、税負担が軽くなります。
また、運用益も非課税となるため、効率的に資産を増やせます。さらに、受け取り時にも控除が適用され、税負担が軽減されるため、老後資金への備えとして選択肢に入れましょう。
原則として60歳まで引き出せないため、強制的に貯めていくことができます。ただし、こちらも投資信託と同様、リスクが伴います。
「元本を下回るのが怖い」という方は元本確保型の商品もあります。一度どういった商品があるのか、調べてみてください。
今回は、年収400万円の方の貯金事情や貯金するためのコツなどを解説しました。
繰り返しになりますが、貯金をするためには「収入を増やす」か「支出を減らす」しかありません。
「収入を増やす」のは簡単にはいかないかもしれませんが、「支出を減らす」のは手軽にできます。
もしどこを見直したらいいかわからないという場合は弊社までお気軽にご相談ください。