貯金を続けるうえでモチベーションは重要であり、モチベーションを維持しながら楽しく続けられることが理想です。
優れた貯金計画を立てても、モチベーションを維持できずに実際に実行できなければ、貯金は増えていきません。
人によってモチベーションが上がる方法は異なるかもしれませんが、共通したモチベーションを維持する方法と正しい貯金のやり方を理解しましょう。
本記事では、貯金においてモチベーションが重要な理由を解説し、モチベーションを維持する方法と正しい貯金のやり方を紹介します。
コンテンツページ
貯金においてモチベーションが重要になる理由は、貯金は長期的におこなうことで初めて成果が出るからです。
始めて1ヶ月間で努力して節約し、ある程度の貯金ができたとします。
しかし、節約の反動で翌月に無駄な出費が増え、貯金を使い果たすことがあれば、前月の努力の意味がなくなってしまいます。
貯金は短期間のみ努力すればいいものではなく、長期戦に臨む気持ちで実践することが重要です。
短期間であればモチベーションを維持するのは難しくないかもしれませんが、長期戦を前提にするならモチベーションを維持することが重要になります。
無理なく継続的におこない、毎月、貯金できている状態が自然になることが理想といえるでしょう。
貯金のモチベーションを維持する方法は、人によって異なるかもしれませんが、そのなかでも有効になりやすい方法を3つ紹介します。
それぞれ詳しく解説します。
貯金という長い道のりを歩むにあたって、必要になるのは道しるべとなる目標です。
最終的な目標はもちろん、短期的な目標も設定してモチベーションを高めていきましょう。
例えば、貯金が0円の状態から1,000万円を貯めたいと考えたとき、最初の目標は10万円、達成できたなら50万円、100万円と目標を次々に設定することです。
目標を設定することは貯金に対して明確な目的意識が生まれ、遠い目標と近い目標を設定することで、メリハリをつけておこなうことが期待できます。
短期的な目標を達成したら、次の目標に進んでいくことで、長期的な貯金のモチベーションを維持することが可能です。
貯金を楽しいと感じるタイミングは、預金通帳で増えていく数字を確認したときと答える方もいるかもしれません。
数字の増加は貯金が増えている確かな実感につながるため、モチベーションを維持しやすいといえるでしょう。
預金通帳の定期的な確認は、家計簿などをつけて収支を把握することにもつながるため、モチベーションの維持に関わらずおこなうべきです。
家計簿をつけることで、収入と支出の内訳をはっきりさせると、貯金が増えたという結果だけでなく支出を減らせたという成果も実感できるため、モチベーションの向上につながります。
貯金は長期にわたっておこなう前提であるため、過度な節約は続かない原因となってしまいます。
短距離走と長距離走で考えたとき、短距離走のペースで長距離走を走ればすぐにスタミナが切れてしまうことでしょう。
貯金は長距離走であるため、スタミナを考えない無理のある節約は避けるべきです。
食べたいものがあっても外食をすべてなくす、娯楽費のほとんどを削るなどが無理な節約に該当します。
自身の無理のない範囲で節約を続けることが、モチベーションを維持するうえで重要なポイントとなっています。
モチベーションを上げるために必要な正しい貯金のやり方は以下のとおりです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
貯金において節約すべき費用は、節約効果が高まりやすい費用から優先順位をつけることが望ましいです。
節約を考えるうえで最初に見直したい費用が固定費であり、貯金を効率的におこなうなら固定費から見直すのが基本です。
なぜなら、電気・ガス・水道代、携帯電話料金、サブスクリプションなどの固定費は一度節約ができれば、その効果が翌月以降も持続します。
そのため、節約で最初に見直すべき費用は固定費といわれており、次に外食や娯楽費を中心に無駄遣いと考えられる出費を見直していくことが基本です。
節約といえば後者を想像する方も多いかもしれませんが、人によっては必ずしも外食や娯楽費の見直しを徹底的におこなう必要はないため、優先順位の高い固定費の節約を考えるほうが重要です。
タイムパフォーマンスとは、時間対効果のことであり、時間を費やしたことで得られる結果や満足度のことです。
過度な節約は、ご自身のモチベーションを維持するのに無理のある節約が該当しますが、明らかにタイムパフォーマンスとつりあっていない節約も含まれます。
例えば、最寄りのスーパーマーケットでは2,000円の商品が、歩いて30分の距離にある隣町のスーパーマーケットでは1,980円で売られていると仮定します。
隣町のスーパーマーケットにはこの商品以外に欲しいものがなかったとき、往復で1時間の道のりとなるスーパーまで行き20円安い商品を購入して節約することはタイムパフォーマンスでは損といえるかもしれません。
もちろん、こちらの例では隣町まで歩くことで運動ができるなどの別のメリットを見出す場合はこの限りではありませんが、手間がかかるにも関わらず節約効果が薄い、タイムパフォーマンスを無視した節約は避けるべきでしょう。
すぐに検索できるネットショッピングでできる限り安いサイトを利用することや、ポイントの還元が受けられるクレジットカードで決済するなど、タイムパフォーマンスでも効果の高い節約方法を選ぶのがおすすめです。
貯金を増やす方法は節約だけでなく、副業などをおこない収入を増やすことも考えられます。
副業の種類にもよりますが、終業から別の職場で働くケースなどでは時間的にも大きく拘束されます。
ポイ活やフリマアプリの活用など、手軽にできるものであっても本業に支障をきたすほどおこなえば、トラブルの原因にもなるでしょう。
無理な副業はストレスが増加し、貯金のモチベーションを下げることにもつながるため、副業は本業の最中におこなうことなく余暇を利用することをおすすめします。
貯金に関するデータと調査について、「一般財団法人 ゆうちょ財団」の調査をまとめました。
世帯の貯蓄状況におけるアンケート結果は以下のとおりです。
貯蓄状況 | 割合 |
貯蓄を増やしている | 16.5% |
あまり貯蓄額は変わっていない | 47.2% |
貯蓄を取り崩している | 33.5% |
『一般財団法人 ゆうちょ財団 第5回 家計と貯蓄に関する調査』より筆者作成
貯蓄が増えていると考えている層は16.5%と少なく、5割近くが現状維持と考えており、約3割は貯蓄を取り崩している状態にあります。
モチベーションを保ちながら実感を持って貯蓄を増やす難易度は、全体の2割にも満たないことを考えると貯金を続ける難易度の高さがわかることでしょう。
実感を持って貯蓄を増やすことは誰でもできていることではないため、できている方は次のステップを考えてもよいでしょう。
貯金をしている方は必ずしも預貯金という形で貯蓄しているわけではなく、金融資産に換えて保有している場合もあります。
保有している預貯金・金融資産の調査結果は以下のとおりとなりました。
預貯金・金融資産 | 割合 |
預貯金 | 72.6% |
通常貯金 | 52.3% |
生命保険 | 38.5% |
定期預金 | 32.7% |
個人年金保険 | 20.2% |
株式 | 18.8% |
投資信託 | 13.8% |
『一般財団法人 ゆうちょ財団 第5回 家計と貯蓄に関する調査』より筆者作成
預貯金・通常貯金・定期預金など、さまざまな形態で銀行にお金を預ける方がいる一方で、貯蓄型保険を含む資産になる保険に加入している方も多く見られました。
株式・投資信託のような金融商品の保有率も増加傾向にあり、貯金だけでなく資産運用に興味を持つ方も増えています。
資産運用は最終的に貯金を効率的に増やす方法である理由は、方法を考えれば手間がかからないことが挙げられます。
長期を前提に資産運用をする方法のなかには、貯金を金融商品などに換えてから、ほとんど管理などの手間をかけることなく将来的な資産の増加が期待できます。
今ある貯金を利用して、副業よりも手間をかけずに貯金を増やすことができるため、タイムパフォーマンスにおいても優れているといえるでしょう。
ただし、短期的に利益を見込む投資は、価格変動などを定期的に監視する必要があるため、すべての投資方法が手間なく貯金を効率的に増やす方法にはなりません。
そのため、長期を前提に貯金を増やせる資産運用を選ぶことが貯金を効率的に増やすステップアップにつながります。
貯金から資産運用にステップアップするために適した方法を3つ紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
貯蓄と保障の2つの性質をあわせもつ資産運用の方法には貯蓄型保険があり、将来を考えるなら貯金からステップアップしやすい方法といえます。
貯蓄型保険では、終身保険や個人年金保険、学資保険などの受けたい保障にあわせて幅広く保険商品が用意されているのが特徴です。
保障を受けるため通常の保険と同様に保険料を支払うことになりますが、掛け捨ての保険とは異なり、保険料が貯蓄されていきます。
貯蓄された保険料は満期になると満期保険金として受け取りが可能であり、満期保険金は一定の利率の利息がつくことから、資産運用の手段にもなります。
ご自身の状況にあわせて保障受けながら、満期保険金の受け取りで貯金を手堅く増やすなら、おすすめの資産運用です。
ただし、中途解約をすると解約返戻金が支払った元本を下回ることもあるため、保険料の支払いが滞らないようにモチベーションを維持して貯金をおこなうことが必要です。
投資に対して知識がない方でも、資産運用のプロに運用を任せられるため、手間もかけずに運用しやすい金融商品が投資信託です。
株式・債券など、さまざまな投資対象に少額から分散して投資できることが魅力となっています。
基準価格が定期的に発表され、価格の変動によって利益が得られる仕組みですが、分配金と呼ばれる定期的な利益が発生する投資信託もあります。
投資信託の種類によっては長期的に大きなリターンが期待できることもあり、毎月の貯金額の一部を投資に回す形で少額から気軽に始めるのもよいでしょう。
NISAやiDeCoなどの非課税制度を利用すると、投資信託の利益にかかる税金を非課税にできるため、投資信託で資産運用するなら利用したい制度です。
ただし、価格変動による元本割れのリスクもあるため、リスクを理解したうえで始めるようにしましょう。
貯金は楽しく続けることが理想ですが、資産運用もご自身の趣味などにあわせて楽しく続ける方法もあります。
貯金をアンティークコインやウイスキーカスクなどの実物資産に換え、長期的な価値の向上を期待する資産運用もあります。
アンティークコインは、世界中にコレクターが存在する希少価値の高い資産であり、過去に発行されたコインであることから数が減ることはあっても増えない性質が特徴です。
この性質から長期的に価値が上昇しやすいことから、鑑賞もできる資産運用の対象として注目されています。
ウイスキーカスクは、通常はボトルで購入するウイスキーを樽(タル)ごと購入し、長期的の保有し熟成による価値の上昇を期待する資産運用の方法です。
ウイスキーは樽のなかで熟成し、同じ種類であれば10年もののウイスキーよりも30年もののウイスキーのほうが価値が高まることから、長期の資産運用に適した投資対象であり、必ずしも投資を目的にするだけでなく飲んで楽しむこともできます。
資産運用といえば、株式などの金融商品をイメージする方も多いかと思いますが、アンティークコインやウイスキーカスクなどご自身の趣味の延長になる方法で楽しんで貯金を増やすことも可能です。
貯金は長期的にモチベーションを維持して継続していくことが重要であるため、そのための正しい方法を理解することで貯金が成功する確率が高まります。
貯金がある程度貯まってきたら、手間をかけずに実践できる資産運用もおこなうことで、より効率的に貯金を増やせます。
より効率的に貯金をおこないたい方や資産運用の方法に悩む方は、お金のプロに相談して確実な方法を知ることもモチベーションの向上につながるためおすすめです。