社会人として仕事を始めたのはいいものの、「将来のことが不安。」という方も多いのではないでしょうか?
「このまま今の会社を続けられるのだろうか。」
「将来どんな時にお金が必要なのだろう?」
「服を買ったり、飲みに行ったりでなかなか貯金できてないけど、大丈夫かな?」
色々、考えてしまいますよね。
貯蓄をしておかなければいけないとの認識はあるものの、よくわからずそのままになってしまっているということもあるでしょう。
この記事では、20代の方に向けて、これからどのような出費があり、どう対策すれば安心できるのかについて記載しています。
ぜひ、最後までお読みください。
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この章では、20代の方の貯蓄事情について解説しています。
金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和4年)」によると、20代で金融資産を保有している人の割合は59.4%でした。
金融資産とは預貯金だけでなく、株式や投資信託などの投資商品なども含めた資産のことを言います。
今回の調査では、20代の半数以上の人が、なんらかの金融資産を保有していることがわかりました。
出典:金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和4年)」
具体的には、以下のような資産を金融資産と言います。
参考までに、それとは別に、実物資産というものもあります。
具体的には、以下のような資産が実物資産です。
・不動産 ・金 ・絵画 ・ウイスキー ・アンティークコイン・・・など |
では、20代の人はどのぐらいの金額の金融資産を保有しているのでしょうか?
以下では、20代の人が保有している金融資産の割合を表にしています。
金融資産保有額 | 割合 |
金融資産非保有 | 40.6% |
100万円未満 | 21.9% |
100~200万円未満 | 11.0% |
200~300万円未満 | 6.9% |
300~400万円未満 | 5.1% |
400~500万円未満 | 2.4% |
500~700万円未満 | 4.6% |
700~1,000万円未満 | 2.8% |
1,000~1,500万円未満 | 1.4% |
引用:金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和4年)」
金融資産非保有世帯が40.6%と一番多く、20代では約4割の人が金融資産を保有していないという結果になりました。
金融資産を保有している世帯では、100万円未満が29.1%と、一番多くなっています。
また、約35%の人は100万円以上、金融資産を保有しています。
「20代で金融資産を保有している人の割合」でもご紹介した通り、金融資産の中には貯金以外の資産も含まれています。
では、20代の人で金融資産を保有している人はどんな資産を保有しているのでしょうか。
20代の、金融資産保有世帯の種類別金融資産平均保有額を表にしています。
種類別金融資産 | 金融資産保有世帯の平均保有額 |
預貯金 | 162万円 |
金銭信託 | 8万円 |
生命保険 | 19万円 |
損害保険 | 5万円 |
個人年金保険 | 19万円 |
債券 | 12万円 |
株式 | 37万円 |
投資信託 | 26万円 |
財形貯蓄 | 22万円 |
その他金融商品 | 5万円 |
引用:金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和4年)」
20代で金融資産を保有している人は、預貯金に次いで、株式や投資信託といった金融資産を保有している人が多く、比較的、運用に積極的な人が多いと言えるでしょう。
貯金や貯蓄と聞いても、実際には20代で金融資産を保有していない人が約4割。
「貯金や貯蓄って必要なの?」と思っている方も多いのではないでしょうか?
結論から言うと、「貯金や貯蓄はしておいたほうがいい。」です。
今、20代であれば、これから様々なライフイベントが待っています。
ライフイベント時には、比較的まとまったお金が必要です。
貯金や貯蓄がないと、対応ができず、誰かからお金を借りたり、カードローンなどのローンをすることになる可能性も。
急な事故や病気などで、一時的にお金が必要になることもあります。
また、まだまだ先のことでなかなか想像しにくいかもしれませんが、老後のことを考えると、早くから貯蓄をしておいたほうが、運用効率が良い場合があります。
できれば毎月、できる範囲で貯蓄していくようにしましょう。
先ほども少し触れましたが、この章では、貯蓄の目的の一つとも言えるライフイベントについて解説しています。
就職活動をする上で必要なお金はだいたい10~15万円程度と言われています。
以下は、就職活動で考えておかなければいけない出費についての表です。
必要品目 | 金額 |
スーツ代 | 10,000~50,000円 |
カバン代 | 5,000~20,000円 |
革靴代 | 5,000~20,000円 |
書籍代 | 3,000~10,000円 |
交通費 | 5,000~30,000円/月 |
宿泊代 | 5,000~50,000円/月 |
飲食代 | 5,000~20,000円/月 |
カフェ代 | 3,000~10,000円/月 |
引用:就活の教科書
もちろん、どのようなスーツを購入するか、遠方で就職活動をするのかなどにもよりますが、就職活動にはそれなりにお金がかかってきます。
就職費用に関して、親からの援助がある方もいるかもしれませんが、自分でも貯蓄があれば、安心です。
将来、結婚を考えている方も多いのではないでしょうか。
「ゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べ」によると、挙式、披露宴・ウエディングパーティーの総額平均は303.8万円となっています。
ご祝儀などで賄える部分を除いた自己負担額の平均は、147.3万円。
婚約指輪は、「ゼクシィ結婚トレンド調査2022」(全国推計値)によると、全国平均が35.8万円となっています。
結婚には、思ったよりお金がかかることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
将来に向けて、結婚費用の貯蓄をしておくと安心です。
近年では、新卒で入った会社にずっと勤務するのではなく、途中で転職をする人も増えています。
厚労省「新規学卒就職者の離職状況を公表します」によると、令和2年度における就職後3年以内の離職率は新規高卒就職者で36.9%、新規大卒就職者で31.2%でした。
例年に比べると減っているとは言え、決して少ないとは言えない率です。
今後、この記事を読んでいる人の中にも、キャリアアップのためや、生活の変化に応じて仕事を変えるという方がいるかもしれません。
転職活動には、就活時と同じように服飾費や交通費などがかかります。
また、一人暮らしをしていたり、家族を養っている場合は、家賃や生活費、税金などもかかってきます。
失業保険を受け取るのか受け取らないかにもよりますが、貯金があったほうが安心感も生まれ、転職活動がしやすくなるでしょう。
これから、出産というイベントがある方もいるでしょう。
出産にも様々なお金がかかります。
厚生労働省「出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)の結果等について」によると、公的病院を利用した場合の出産費用は全国平均で452,288万円でした。
現在の出産育児一時金が原則42万円ですので、少し、金額的にはオーバーする方が多いようです。
また、私立の病院を利用すると、公的病院で出産するよりも、出産費用が高くなる傾向にあります。
出産前に子供のミルクやオムツ、洋服などを準備する必要もあります。
出産までに、ある程度貯蓄があれば安心して出産を迎えることができるでしょう。
出典:厚生労働省「出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)の結果等について」
子供を産み育てるのにも、お金がかかります。
一般的に幼稚園から大学まで全て公立に行かせて1,000万円ほど、全て私立の場合は2,500万円以上、費用がかかると言われています。
ここに日々の食費や服飾費なども加算。
最近では、携帯を持つ子供も多く、昔に比べ、子供にかかる費用というのは更に増えているのかもしれません。
入学費など一時金として必要な資金もあり、将来、子供をつくる予定がある方や、既に子供がいる方は、子供の教育費の貯蓄をしておく必要があるでしょう。
これから、住宅購入をすることもあるかもしれません。
住宅を購入する際は、ほとんどの方が銀行で借入をします。
金額が大きいので、なかなか一括では資金を出すことが難しいですよね。
ただ、銀行で借入をするにしても、銀行が住宅購入資金の全額を融資してくれるとは限りません。
場合によっては住宅購入価格の一部しか融資をしてくれなかったり、諸費用は自己資金から出す必要があったりします。
諸費用に関しては、新築か中古かにもよりますが、一般的に物件価格の3~10%ほどかかると言われています。
頭金や諸費用だけで数百万円かかることを想定しておきましょう。
住宅購入までにある程度、貯蓄をしておくと安心です。
20代というと、まだまだ人生これからです。
貯蓄も今から始めれば、かなりの時間を味方につけることが可能。
この章では、20代からでも始めることのできる貯蓄方法について説明しています。
貯金とは、銀行の普通預金や定期預金のように、何かあればすぐに使うことのできるお金です。
いざという時のために、すぐに使うことのできるお金があると安心ですよね。
支給されたお給料の一部は、貯金に回わすようにしましょう。
貯金をするのが苦手という方は、積み立て貯金という方法もあります。
積み立て貯金とは、毎月、決まった日にちに一定額を積み立てていく貯金方法です。
自分に合った方法で、少しずつでも貯金をしていきましょう。
貯蓄型保険とは、保険の保障と資産形成機能が合わさった保険です。
貯蓄型保険には様々なタイプがあり、養老保険、終身保険、学資保険、個人年金保険などがあります。
20代であれば、個人年金保険がおすすめです。
個人年金保険とは、公的年金とは違い、自助努力で老後資金を積み立てる保険です。
一定の年齢まで保険料を積み立て、一定の年齢になれば年金が受け取れます。
公的年金にプラスして年金が受け取れると安心ですよね。
また、決まったタイミングで積み立てが行われるので、貯蓄が苦手な方にも向いている貯蓄方法です。
ただ、貯金と違って、解約時にペナルティがある場合があります。
商品性やリスクについても、しっかりと確認してから加入するようにしましょう。
つみたてNISAとは、一定の投資信託を売却した際の売却益や分配金が非課税になる制度です。
一定の投資信託を、決まった金額、決まった頻度で購入していきます。
最低金額が低めに設定してある証券会社もあり、購入頻度も選択できる場合があります。
NISAを利用する会社によって、金額や頻度など、様々な選択肢があるので、自分に合った方法で買い付けをすることが可能。
また、長い期間、一定金額を定期的に買い付けていくと、価格が低いときに量を多く購入し、価格が高いときには量を少なく購入できます。
結果として、平均購入単価を抑えて購入ができるので、ずっと投資信託の値動きを見ていられない人や、自分で貯蓄するのが苦手な人には向いていると言えるでしょう。
貯金と違って、値上がり益が期待できる反面、元本が保証されていない商品です。
投資する商品の商品性やリスク、つみたてNISAのメリット・デメリットについてもしっかり確認のうえ、申し込みをするようにしましょう。
iDeCoとは、私的年金制度のことです。
加入は任意で、公的年金と違い自身で投資信託、保険商品、公社債、預貯金などに投資をし、運用をする必要があります。
様々な税制面での優遇がありますが、原則として60歳まで引き出しができないなどのデメリットもあります。
投資する商品の商品性やリスク、iDeCoのメリット・デメリットについてもしっかり確認のうえ、申し込みをするようにしましょう。
20代の方向けに、どうして貯蓄が大切なのか、どのようにして貯蓄すれば良いのかを記載してきました。
初めて聞く言葉や、初めて聞く制度などがあったのではないでしょうか?
ご自身だけでは、どのように将来設計をしていけば良いのかわからないという方も多いと思います。
弊社では、個別にその方にあった将来の資産形成プランを作成し、一緒に資産形成をしていきます。
「若い人にこそこ、御社のサービスを受けてもらいたい。」
「若い時に御社に出会っていれば、もっと選択肢が広がったかも。」
と、お客様に仰っていただくことも多いです。
ぜひこの機会に、専門家に相談をしてみてはいかがでしょうか。
きっと、様々な面で、「参考になった。」と思っていただけると思います。