近年、都心など物価が高騰している地域を中心に、費用を抑えて購入できる中古マンションの需要が高まっています。しかし、中古マンションはマンションの価格だけを見て購入を決めると失敗してしまうおそれもあるでしょう。
この記事では、中古マンションを購入するときの注意点を解説します。気になるお金のことや中古マンションならではのリスクなど、さまざまな注意点を紹介するので、参考にしてみてください。
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中古マンションを購入するときの注意点は、大きく分けて3つです。
1.お金のこと
2.築年数・内装のこと
3.環境のこと
中古マンションを購入し、完済するまでのお金の注意点、住み続けるマンションの安全性やリスクにつながる築年数・内装の注意点、毎日の住みやすさを決める環境の注意点の3つのトピックが挙げられます。
では、この3つのトピックを順番に見ていきましょう。
まずは、中古マンションを購入するときのお金に関する注意点を解説します。中古マンションを購入する際には、毎月住宅ローンを返済しなければならない上に、頭金と諸費用がかかります。
せっかくのマイホームを手放さないようにするためにも、購入時はお金のことを考えて決めましょう。
まずは、中古マンションを探す前に購入予算を決める必要があります。自分の収入や貯蓄、将来の収入見通しなどを踏まえて、諸費用や維持費、住宅ローンの借入額を計算しましょう。
また、将来の変化に備えて予算に余裕を持たせるのも大切です。結婚や出産、転職などの今後のライフステージを見越して購入予算を決め、不測の事態にも対応できるようにすると安心でしょう。
物件の購入は、年収の3〜7倍が目安です。まずは、自分の年収からどれくらいの中古マンションが買えそうなのか調べてみるのをおすすめします。
中古マンションを購入する際に、住宅ローン減税やすまい給付金などの制度が利用できる可能性があります。
住宅ローン減税とは、住宅ローンの残高に応じて、所得税の控除を受けられる制度で、経済的な負担が抑えられます。また、すまい給付金は、消費税増税による負担を軽減するために、最大50万円の給付が受けられる制度です。
また、お住まいの地域によっては補助金や助成金制度など、地方自治体や各種団体が実施している制度もあります。ただし、購入する中古マンションによっては対象外なケースも珍しくありません。
今後の費用を抑えるためにも、減税や補助金制度が利用できるか確認するとよいでしょう。
中古マンションの購入後、住宅ローンの返済がスタートします。貯金で諸費用や頭金を払えても、毎月支払えない金額では住み続けるのは難しいです。
住宅ローンの返済計画を立てて、無理のない返済ができるか確認しましょう。住宅ローンは、返済期間が長いほど月々の返済額は少なくなりますが、金利によって総返済額が増えるため、返済能力を考慮してバランスを取ることが重要です。
もし、毎月ギリギリの返済額を設定した場合、共益費や修繕積立金などの維持管理費用が増えると負担が大きくなります。月々の支出全体や将来を見据えた上で購入を検討しましょう。
マンションは年々価格が高騰しているため、資産の面でも人気が高いです。購入した中古マンションが、将来的に資産価値を持ち続けるかも判断の一つでしょう。
周辺環境や商業施設、教育機関などのインフラが整っているかどうか、地域の将来性があるかなど、今後も需要が高い地域は資産価値が維持されやすくなります。
また、マンション自体の建物の状態や耐久性も重要です。リフォームやリノベーションが必要ないか、建物の耐震性や老朽化の程度をチェックしましょう。購入後に大規模な修繕や改修が必要になる場合、資産価値が下がってしまう可能性があります。
資産目的も含めて中古マンションを考えている場合は、資産価値も見極めて確認するとよいでしょう。
次に、中古マンションを購入するときの築年数や内装のことに関する注意点を解説します。中古マンションは築年数がある程度経っている物件や内装が古いものも珍しくありません。
今後、安全に住み続けるためにも、中古マンションを購入するときにチェックしておきましょう。
築年数が経っている中古マンションを購入する場合、耐震性能に問題がないか注意が必要です。特に、新耐震基準が施行された1981年6月より前に建築している物件は、旧耐震基準を採用しているため、新耐震基準に満たしていない可能性があります。
近年の建物では耐震性を考慮した設計が求められていますが、古い建物では耐震設計が不十分なため、大きな地震が起きた場合に被害に遭うかもしれません。
もし築年数によって耐震性能が不安な場合は、耐震補強工事が行われているかチェックしましょう。過去に耐震補強工事を実施していれば、地震の不安は少ないです。
中古マンションの購入後は、地震だけではなく洪水や台風などの自然災害や、近隣施設の火災など、さまざまな災害リスクが考えられます。もし、災害が起こっても対応できる物件を選びましょう。
具体的に調べる項目は、購入を検討している地域の過去の災害情報やリスク、地震や洪水などの災害が発生しやすい地域であるか、またその際の影響や被害の程度などです。
マンション自体の災害対策や安全性もチェックしておきましょう。建物の耐震性や防災設備、避難経路や非常用の備品など、災害時に安全を確保するための対策が適切かどうかも大切です。
毎日を快適に過ごすためにも、内装も重要です。築年数が経っている中古マンションの場合、住む上で不便や不快な思いをする恐れがあります。
特に、キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備が古い場合、使用感や清潔感が気になるかもしれません。また、古い設備は故障しやすく、修理やリフォームが必要になる場合があるため、かえって費用がかかる可能性もあるでしょう。
以前住んでいた人がマンションを退去する際、業者の清掃が入ることが一般的ですが、長年住んでいた場合は新築同様にきれいになるケースは少ないです。そのため、今後住み続けるのに気にならないかチェックするとよいでしょう。
もし、中古マンションを購入する際に「もっとこうしたい」「水回りをきれいにしたい」などの要望が出てきた場合、リノベーションやリフォームが可能かも重要なポイントです。
マンションによっては、建物の規模や管理規約、自治体の条例などによって制限があるケースがあります。外観や共用部の変更が制限されていたり、住民同意が必要なケースもあるので、購入前に確認が必要です。
また、リノベーションやリフォームをおこなうためには費用もかかります。内装や設備の改修、間取り変更などの工事にはそれぞれ費用がかかるため、予算の見積もりや工事内容を考えた上で判断しましょう。
最後に、中古マンションを購入するときの環境に関する注意点を解説します。中古マンションは、すでに人が暮らしているため、近隣住民との関係が重要です。
また、快適に住むためにも周りの環境も併せてチェックしておきましょう。
マンションは近隣住民と距離が近いため、住環境や生活の質を左右する重要な要素になります。購入前に近隣住民を調査し、トラブルになるリスクがないか確認しましょう。
また、トラブルを防ぐためにも生活音や騒音、ゴミの分別処理など、共同生活に関するルールやマナーを守るのも大切です。約束ができない場合はマンション自体が自分に合っていない可能性も考えられます。
毎日の生活を快適にするためにも、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、ドラッグストアなどの日常生活に必要な施設が近くにあるかチェックしましょう。ほかにも、飲食店やカフェ、ファーストフード店なども周辺にあると便利です。
また、公共交通機関が発展しているかどうかも、物件選びの要素に欠かせません。駅やバス停が近くにあれば、通勤や外出が便利になり、車を持っていなくても移動がスムーズになります。
商業施設や駐車場の有無や料金、アクセスのよさも踏まえた上で、中古マンション選びをするのがおすすめです。
職場への通勤や学校への通学は毎日のことです。そのため、職場や学校に通いやすい立地かもチェックしておきましょう。具体的にチェックすべき項目は、最寄りの駅やバス停からの距離や交通手段の便利さ、道の広さなどです。
併せて、電車やバスの本数が多いか、遅延や混雑の頻度をチェックするとよいでしょう。通勤や通学時間が短いと、毎日の移動がスムーズになり、時間的な余裕も生まれます。
夜でも安心して歩くために、周辺の治安状況も注意が必要です。近隣の犯罪発生件数や防犯施設の設置状況、警察署や交番の存在などをチェックしましょう。治安が良いエリアであれば、生活する上での安心感が増し、家族や自身の安全を守ることができます。
また、住民の質やコミュニティの活動状況も重要です。近隣の住民がマナーやルールを守っているか、住民同士の交流や地域活性化の取り組みが行われているかなどを調査しましょう。
良好なコミュニティが形成されている地域であれば、住みやすい環境かもしれません。
中古マンションの購入を決断するためにも、内見は欠かせません。実際に住むマンションを確認できるため、不動産業者の資料やネットの情報だけでは把握できなかった部分もチェックできます。
希望に合ったマイホームに住むためにも、中古マンションの内見の注意点を確認しておきましょう。
マンションの共有部分や共用設備の管理が行き届いているかをチェックしましょう。
また、建物全体のメンテナンスや修繕状況も確認するのをおすすめします。外壁や屋根、窓、バルコニーなどの外部設備の劣化や補修履歴、共用部分の改修など、建物の老朽化がある場合、将来的な修繕費用が増える可能性が考えられるでしょう。
内見ではこれから住む家をチェックできるので、毎日の生活をイメージしながら確認するのがおすすめです。各部屋の配置や広さ、収納スペースなどを確認し、家具や家電の配置が問題ないかをチェックしましょう。
また、部屋の窓やバルコニーからの日当たりや風通しを確認し、快適な居住環境かどうかも大切です。明るくて風通しのよい部屋は、快適な生活を送るために欠かせません。
実際に間取りを見て、どの部屋にどのような家具を置いて、どう生活を送るかなどこれからの生活をイメージできるマンションがよいでしょう。
「内見まで進んだのだから購入しないといけない」と考える方も少なくありませんが、購入後に後悔しないためにも、購入の決断を急がないのも大切です。
不動産会社によっては、購入を急かしてくるケースもありますが、同じ価格帯やエリアの物件を複数見て、自分のニーズに合った最適な物件を決めましょう。
同じ最寄駅でも、周辺の環境や住民の雰囲気が異なるため、少しでも気になる項目があれば、ほかの物件を比較して総合的によい方を選ぶのがおすすめです。
内見により物件のメリットやデメリットを把握し、将来的なライフスタイルや投資価値を踏まえて慎重に判断しましょう。
中古マンションの購入は、今後かかる費用も大切ですが、毎日帰る家であるため直感的に「イマイチ好きになれない物件だな」と感じたら購入を控えるのも一つの方法です。
内見でピンと来なかった場合や、雰囲気がよくないと感じた場合は、購入後もその違和感が続く恐れもあるでしょう。
「住み続ければ慣れるだろう」と違和感を無視して購入し、後悔しないためにも、迷ったら直感を頼りにするのもおすすめです。
この記事では、中古マンションを購入するときの注意点を解説しました。中古マンションは、新築よりも費用を抑えて購入できるため手が届きやすい反面、元々ある物件に住むため注意点も多いです。
中古マンションの購入をしている方は、注意点を押さえて後悔ないマイホーム選びをしましょう。
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