入居までのスピードが早く、価格を抑えて購入できるため、近年は中古住宅を購入する方も増えてきています。
しかし、中古住宅を購入するときは屋根や外壁、内装の劣化の確認や修繕の必要性など、注意点が多いので失敗しないためにも細かくチェックすることが大切です。
この記事では、中古住宅を購入するときの注意点と、内覧時に押さえておくべきポイントを解説します。後悔しない物件選びをするためにも、中古住宅の購入を考えている方は必見です。
中古住宅を購入するときには、新築にはない注意点があります。特に、購入後の生活に大きく影響する部分を確認しておかなければ、後悔につながる恐れがあるので、気になる中古住宅があれば聞いておきましょう。
まずは、中古住宅を購入するときの注意点を解説します。
屋根や外壁は常に外気にさらされているため、劣化しやすい部分です。特に、ひび割れや剥がれが見られる場合は、雨漏りや断熱性能の低下につながるため、購入後の修繕費用が高額になる可能性があります。
損傷が放置されていないかを確認して、必要な修繕費用も含めて見積もりをするようにしましょう。
見た目はきれいでも、経年劣化によって床や壁、天井が傷んでいる中古住宅は多いです。特に、水回りやキッチン、バスルームなどの設備は、使用年数が長いと交換が必要になるため、修繕費用がかさむ可能性があります。
また、古い設備をリフォームしたい場合は、リフォームにかかる費用を事前に計算しておくようにしましょう。想定していた金額より高額になるケースも多いので、多めに見積もっておくと安心です。
物件だけではなく、土地や周辺環境にも注意が必要です。地盤が弱い土地の場合、将来的に地盤沈下や建物の傾きなどのリスクが考えられます。過去に災害が発生した地域では、洪水や地震などの被害に遭う可能性があるため、防災マップを確認しましょう。
また、周辺の交通状況や騒音、治安など日常生活に影響を与える環境も調べる必要があります。物件だけにこだわると、住んでから後悔する恐れもあります。事前に十分なリサーチをしたうえで、安心して暮らせる場所を選びましょう。
生活に欠かせないスーパーマーケットやコンビニエンスストア、ドラッグストア、銀行などの施設が近くにあると、快適な生活を送れます。また、老後に備えて、歩いて行ける場所に病院があるかも調べておきましょう。
子育て中の家庭であれば、保育施設や学校、公園の有無も重要なポイントです。生活に必要な施設が近くにない場合、車やバスなどを使わなければいけないため、不便に感じる可能性があるでしょう。
物件を決める前に、生活しやすい環境であるかを確認しておく必要があります。
中古住宅を購入するうえで、特に注意したいことがシロアリ被害です。物件の寿命を短くするだけでなく、大きな地震が発生したときに倒壊するリスクが高まります。
また、日当たりや風通しが悪い家は、シロアリの被害に遭いやすい傾向があるので注意しましょう。床が軋んでいたり、水回りの壁にカビが発生していたりする場合は危険な兆候です。
シロアリの有無は、住宅診断士の資格を持つ専門家に、ホームインスペクションを依頼することをおすすめします。売主が気付いていないケースも多いため、依頼費用を惜しまずに、購入前の確認は入念におこないましょう。
理想の物件を見つけても、隣人や地域とのトラブルがあれば、快適な生活を送ることが難しくなる可能性があります。
例えば、騒音やペットの問題、ゴミ出しのルール違反など、前の入居者と近隣住民とのトラブルが過去にあった場合、入居後に引き継がれてしまうケースも少なくありません。
また、地域のコミュニティの雰囲気や近隣住民の生活習慣を事前に知ることも大切です。不動産会社や周辺の住民に直接尋ねて、近所トラブルの有無を確認しておきましょう。
築年数が経過した中古住宅は、現行の耐震基準に適合しているか確認しましょう。1981年5月31日以前に建てられた建物は旧耐震基準が設定されており「震度5強程度の地震で倒壊・崩壊しない」ことが基準になっています。
東日本大震災や能登半島地震など、旧耐震基準を超えた大地震が発生した場合は倒壊リスクが高まるため、新耐震基準で建てられた中古住宅を選ぶとことをおすすめします。
新耐震基準は「震度6強から7程度の地震では建物が倒壊・崩壊しない」ことを基準としているため、地震による被害を抑えるためにも、家の築年数に注意しましょう。
内覧は物件の状態を確認するためにも大切な時間です。特に、中古住宅の場合は見た目だけではわかりにくい、劣化や修繕の必要性を見極めなければいけません。
ここからは、中古住宅の内覧時にチェックすべきポイントと注意点を解説します。購入後のトラブルを防ぐためにも、必ず押さえておきましょう。
境界トラブルを避けるために、隣の敷地との境界を確認しておきましょう。確認を怠ると、境界線をめぐる土地の所有権やフェンスや塀の設置などの問題が発生する可能性があります。
また、境界は中古住宅をリフォームする場合や、庭の整備をするときにも影響するためチェックしておきましょう。自分ではわからない場合は、必要に応じて専門家に調査を依頼すると確実です。
家の間取りや広さ、家具の配置や家事動線などが、自分や家族の生活スタイルに合っているか想像しましょう。また、日当たりや風通し、周囲の騒音など、実際に生活していてストレスがないかも大切です。
内覧で把握しきれない部分があれば、夜に周辺を散歩して治安をチェックしたり、通勤や通学をしてみたりと、自分で実際に確認するのもよいでしょう。住み心地のよい家を見つけるためにも、手間と時間を惜しまないことがポイントです。
可能であれば、売主に家を売りに出す理由を聞いておきましょう。
売却する理由は、物件の隠れた問題点を知る手がかりになる場合が多いです。例えば、騒音や日当たり、周辺環境の変化による住みづらさが原因であったり、近隣トラブルが売却理由となっている可能性もあるでしょう。
特に、相場の価格に対して格安な価格で売りに出されている場合は、大きな問題点がある恐れがあります。物件を見ただけでは気付きにくい問題もあるため、十分な調査のもと安心して購入できるかを判断しましょう。
内覧をするときは部屋の広さだけではなく、収納スペースも確認しましょう。収納が十分でないと、住み始めてから物が散らかりやすくなるリスクがあります。
各部屋にクローゼットや押入れがあるか、使いやすい場所に収納スペースが設けられているかを確認しましょう。また、季節用品や日常的に使わない物を効率的に片付けられる収納スペースがあるかどうかも大切です。
収納スペースの配置や大きさを確認して、住み心地のよい家かを判断しましょう。
車を所有している場合や将来車を購入する予定がある場合、駐車スペースが十分に確保されているかは注意すべきポイントです。また、駐車スペースの広さが車のサイズに合っているか、複数台の車を駐車できるかも確認しましょう。
車庫がある場合は、その高さや幅が車に適しているか、車のドアがスムーズに開閉できるかもチェックが必要です。入居後に困らないためにも、車の使用に不便がないかを把握しておきましょう。
希望の中古住宅が見つかったら、いよいよ契約に移ります。中古住宅を契約するときは、物件の状態や契約条件を確認して、不利な契約にならないよう慎重に進めることが大切です。
最後に、中古住宅の契約時に押さえておくべき注意点を解説します。
中古住宅を購入するときは、物件価格や諸費用だけではなく仲介手数料がかかります。
仲介手数料は、売買を仲介してくれる不動産会社に支払うお金です。一般的に「不動産の売買価格(税抜) ×3%+6万円」を上限額としており、予算を立てるときは仲介手数料を含めた資金計画を作成する必要があります。
築年数が経っている中古住宅は、外観や設備が劣化しており、購入後に修繕が必要になるケースが多いです。特に、キッチンや浴室などの水回りは、劣化の有無に関係なく設備交換を希望することが多く、多めに見積もっておく必要があります。
修繕費用やリフォーム費用などの追加コストを見落とすと、購入後に予想外の出費が発生し、資金不足に陥ってしまうかもしれません。そのため、修繕費用やリフォーム費用を含めた資金計画を立てて、余裕を持った住宅購入を目指しましょう。
契約不適合責任とは、売主が物件の引き渡し後に発見された不具合に対して負う責任のことです。例えば、雨漏りやシロアリ被害など隠れた欠陥が見つかった場合に対象となります。
契約不適合責任が適用された場合は、契約解除や損害賠償請求が認められていますが、どこまで適用されるかは契約によって異なるため確認しておきましょう。
ただし、個人が売主の場合は責任が免除になるケースもあるため、免責条項があるか忘れずに確認しなければいけません。事前に契約内容を確認し、購入後のリスクを把握することが大切です。
中古住宅の購入には、内覧や契約時に注意すべきポイントが多くあります。
中古住宅は、早い者勝ちになるので慌てて購入を進めてしまいがちですが、物件の状態や修繕の必要性、周辺環境や契約内容などをしっかり確認し、納得したうえで契約するようにしましょう。
弊社では、住宅購入前後に特化したお金の相談を承っております。「中古住宅の購入予算はどれくらい必要? 」「住宅ローンの借入はいくらまで? 」など、お困りのことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。