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家を建てるなら年収はいくら必要? シミュレーションを通じて具体的に解説

本城徹治|サムネイル
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本城徹治

家を建てたいと考えたとき、どれくらいの年収が必要であるのか疑問にう方もいるでしょう。

 

家の購入金額は非常に高額であるため、「現在の自分の年収では家を建てられない」と不安になるかもしれません。

 

しかし、年収の低い方でも住宅ローンを組んで家を建てたケースがあるため、物件次第ですが、年収の低さに悩んでいる方でも家を建てられる可能性があります。

 

この記事では、家を建てるなら年収はいくら必要であるのか、データやシミュレーションを通じて解説し、年収が少ない状態で家を建てるためのポイントを紹介します。

 

記事を読むことで、年収が高くなくても家を建てられることがわかり、現在の年収でどのように家を建てるべきか判断できるようになるでしょう。

 

家を建てるなら年収はいくら必要?

家を建てるなら年収はいくら必要であるか、この問題を考えるにあたっては、以下の疑問を解決することが重要です。

 

・年収が低くても住宅ローンを組める?
・実際に家を建てた人の平均年収はいくら?
・現実的に住宅ローンを返済できる負担の基準は?

 

金融機関による住宅ローンの審査で、家の購入に対して年収の制限が設けられており、明確な基準があると考えている方もいるかもしれません。

 

実際に家を建てた人の平均年収を知ることで、ご自身が平均値から見てどの位置にいるのか知りたい方もいることでしょう。

 

住宅ローンを組んで家を建てるためには、ローンを毎月返済する必要がありますが、年収の低い方は返済額を負担することが難しいです。

 

現実的に住宅ローンを返済できる返済負担の基準を決められれば、いくらの年収が必要であるか明確に判断できます。それぞれの疑問を解決する内容を詳しく解説します。

 

年収が低くても住宅ローンを組める可能性がある

まず、すべての金融機関の住宅ローン審査において、年収に明確な基準が共通して決められているわけではありません。

 

年収が低くても金融機関の審査に通過できれば、住宅ローンを組める可能性はあります。ただし、年収が低いほど返済能力に不安があると判断されて、審査で不利になる傾向にあります。

 

しかし、金融機関は年収のみで審査の通過を判断するわけではありません。

 

購入する物件の価格・返済期間などの条件、本人以外に返済を負担できる存在があるなら、年収が低くても余裕をもって住宅ローンを返済できると判断する場合があります。

 

実際に家を建てた人の平均年収

実際に家を建てた人の平均年収は、家を建てるのに必要な年収の目安の参考になることでしょう。ご自身が平均値から見てどの位置にいるのかを判断することもできます。

 

全国・三大都市圏で注文住宅を建てた世帯の平均年収を見ていきましょう。

 

年収 全国 三大都市圏
400万円未満 9.6% 8.0%
400万円以上600万円未満 19.1% 14.4%
600万円以上800万円未満 22.2% 17.8%
800万円以上1,000万円未満 17.4% 20.8%
1,000万円以上1,200万円未満 9.0% 8.0%
1,200万円以上1,500万円未満 6.4% 8.3%
1,500万円以上2,000万円未満 5.3% 5.7%
2,000万円以上 6.2% 9.1%
平均世帯年収 915万円 989万円

国土交通省『令和5年度 住宅市場動向調査報告書』より筆者作成

 

全国平均では600万円以上800万円未満の世帯が多く、東京圏、大阪圏、名古屋圏の三大都市圏では800万円以上1,000万円未満の世帯が多くなりました。

 

しかし、年収400万円未満の世帯が全国・三大都市圏ともに一定の割合で存在しています。上記の統計から平均を大きく下回る年収であっても、家を建てることは可能といえるでしょう。

 

また、首都圏、郊外、地方などエリアによって求められる年収は異なります。家を建てる場所によっても、求められる年収は変わることを理解しておきましょう。

 

毎月の住宅ローンの平均返済額

住宅ローンの返済を想定するなら、現在の生活で貯金に回せる余裕資金はいくらなのか計算することをおすすめします。

 

住宅ローンの返済額が毎月の余裕資金を超えるなら、貯金を切り崩すことになるため、現実的に返済が不可能といえるでしょう。

 

毎月の住宅ローンの返済額における平均は、以下のとおりです。

 

エリア 年間の返済額 毎月の返済額
全国 155.2万円 約12.9万円
三大都市圏 179.6万円 約14.9万円

国土交通省『令和5年度 住宅市場動向調査報告書』より筆者作成

 

住宅ローンの返済額の平均は、毎月の返済額に換算すると全国で12.9万円、三大都市圏で14.9万円です。平均的な価格の住宅を購入するのであれば、同様の返済額が発生することが予想されます。

 

毎月貯金できる余裕資金が、上記の返済額を余裕をもって上回っていることが理想です。

 

ただし、現在は賃貸で暮らしており、家を建てることで家賃の支払いが必要なくなる場合は、支払っている家賃を含めて返済できるかを考えるといいでしょう。

 

あくまで上記の返済額は平均値であるため、建てる家によっては毎月の返済額が安くなります。平均的な返済額を毎月負担できない場合も、家を建てられる可能性はあるでしょう。

 

返済負担率から適切な年収を計算できる

現実的に住宅ローンを返済できるかどうかを判断する基準が、返済負担率です。返済負担率は、年収に対する年間のローン返済額の割合を示しています。

 

例えば、年収800万円で年間の返済額が150万円の場合を考えてみましょう。

「150万円÷800万円=0.1875」から返済負担率は18.75%になります。

 

金融機関が住宅ローンの審査を行う場合、返済負担率の上限は30%~35%になるように融資することが一般的です。しかし、理想的な返済負担率は異なり、20%以内といわれています。

 

全国・三大都市圏の返済負担率の平均を以下にまとめました。

 

エリア 返済負担率
全国 19.4%
三大都市圏 19.5%

国土交通省『令和5年度 住宅市場動向調査報告書』より筆者作成

 

返済負担率の平均も20%以内に収まっており、平均的にも適切な返済負担率であることがわかります。

 

長期にわたって安定して住宅ローンを返済するためには、年収が低いほど返済負担率を20%以内に設定することが望ましいでしょう。

 

金融機関も年収が低い場合の返済負担率の上限は、低く設定することがあります。

 

家を建てるために住宅ローンを返済するとき、現実的に安定して住宅ローンを返済できる基準は返済負担率を参考にできます。

 

家を建てるには年収がいくら必要であるか、3つの疑問の答えを解決したうえで、複数の観点から解説しました。

 

次は、ここまでの内容を踏まえて年収別に建てられる家をシミュレーションしていきましょう。

 

年収別に建てられる家の住宅ローンのシミュレーション

年収別に建てられる家のシミュレーションをおこなっていきます。住宅ローンのシミュレーションは共通して下記の条件を適用するものとします。

 

・金利タイプ:固定金利
・金利:2.0%
・返済期間:35年
・返済負担率:20%以内

 

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

年収200万円・300万円・400万円

年収200万円・300万円・400万円のケースで組める住宅ローンは、以下のとおりです。

 

項目 年収200万円 年収300万円 年収400万円
融資額 1,000万円 1,500万円 2,000万円
毎月の返済額 3万3,126円 4万9,689円 6万6,252円
総返済額 1,391万2,920円 2,086万9,380円 2,782万5,840円
返済負担率 19.87% 19.87% 19.87%

 

上記の返済計画において、融資額と用意できる自己資金(頭金)を合算すると、建てられる家の上限となる価格を求められます。

 

例えば、年収400万円で自己資金500万円を用意できるなら、2,000万円の融資額と500万円の自己資金で2,500万円以下の物件であれば、上記の返済計画で購入できます。

 

融資額である1,000万円~2,000万円で購入できる物件は存在するため、低い年収であっても家を買えるでしょう。

 

年収500万円・600万円・700万円

年収500万円・600万円・700万円のケースで組める住宅ローンは、以下のとおりになります。

 

項目 年収500万円 年収600万円 年収700万円
融資額 2,500万円 3,000万円 3,500万円
毎月の返済額 8万2,815円 9万9,378円 11万5,941円
総返済額 3,478万2,300円 4,173万8,760円 4,869万5,220円
返済負担率 19.87% 19.87% 19.87%

 

中古戸建て住宅の購入資金の平均は3,000万円程度であり、年収600万円以上であれば融資額の範囲内にあるため、物件の選択肢は広くなりました。

 

選択肢を広げて家を建てるなら、年収500万円~700万円であると選びやすくなるでしょう。

 

年収800万円・900万円・1,000万円

年収800万円・900万円・1,000万円のケースで組める、住宅ローンのシミュレーションをまとめました。

 

項目 年収800万円 年収900万円 年収1,000万円
融資額 4,000万円 4,500万円 5,000万円
毎月の返済額 13万2,505円 14万9,068円 16万5,631円
総返済額 5,565万2,100円 6,260万8,560円 6,956万5,020円
返済負担率 19.87% 19.87% 19.87%

 

新築の注文住宅における購入資金の平均が5,800万円程度であるため、自己資金を用意すれば購入できます。

 

多くの融資を受けられることから、三大都市圏エリアを含めて広い選択肢で家を建てることもできるでしょう。

 

年収別に組める住宅ローンをシミュレーションしたことで、より具体的に建てられる家のイメージを掴めたのではないでしょうか。次は、年収が少ない状態で家を建てるためのポイントを紹介します。

 

年収が少ない状態で家を建てるためのポイント

年収が少ない状態で家を建てるためのポイントを7つ紹介します。

 

・頭金を多く用意する
・住宅ローンの返済期間を長く設定する
・ペアローンなどを利用して世帯年収を増加させる
・両親・祖父母から資金援助を受ける
・自治体の助成金・補助金を活用する
・郊外や地方・中古物件も検討する
・専門家に相談して対策を練る

 

それぞれ詳しく解説します。

 

頭金を多く用意する

住宅ローンを組む際に最初に支払う自己資金を頭金と呼んでおり、一般的には物件価格の10%~20%程度の割合で支払うことが一般的です。

 

頭金を多くすると金融機関の審査が有利になり、返済負担率を低く抑える効果も期待できます。

 

年収が低くても貯金が十分にあり、住宅ローンの契約時に頭金を多く支払えるなら、家を建てやすいといえるでしょう。

 

ただし、頭金の支払いで貯金がなくなると、生活における不測の事態に対応できず、住宅ローンの返済が滞る原因になります。

 

最低限、半年分の生活費である予備資金を残しておくようにしましょう。

 

住宅ローンの返済期間を長く設定する

年収が低いほど、住宅ローンの返済期間を長く設定することをおすすめします。月々の返済額が少なくなるため、収入に余裕がなくても返済しやすくなります。

 

住宅ローンの返済期間は、多くの金融機関で最大35年です。返済期間を最長に設定すれば、返済負担率が軽減されるため、融資額も増加して家を建てやすくなるでしょう。

 

ただし、返済期間が長期化するほど支払う利息が増えるため、総返済額が増加します。返済中に余裕ができたのであれば、繰り上げ返済を検討することもおすすめします。

 

ペアローンなどを利用して世帯年収を増加させる

ペアローンは、夫婦や家族など、ご自身以外の複数の収入を合算して住宅ローンを組む方法です。夫婦で共働きしているケースでは、単独で契約するよりも高い融資額を期待できます。

 

個人の年収が低い場合も、ペアローンで年収を合算した世帯年収で審査を受ければ、希望する物件の融資を受けられるかもしれません。

 

ただし、両者の年収に安定性がなければ、ペアローンを認められない可能性もあります。年収に不安がある場合は、ペアローンで世帯年収を増やすことも検討しましょう。

 

両親・祖父母から資金援助を受ける

両親・祖父母など家族からの資金援助は、自己資金を増やす方法として有効です。年収が低くても資金援助を受けられる場合は、審査に通過しやすくなる可能性があります。

 

家族からの資金援助は、例えば、住宅ローンを組んで家を建てる際に支払う頭金と諸費用の補填として使用できます。

 

また、「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」を利用すれば、条件を満たすことで最大1,000万円の資金に贈与税がかかりません。

 

自治体の助成金・補助金を活用する

自治体では、住宅購入に対する助成金や補助金制度を整備しています。制度を活用することで、自己負担額を軽減し、希望する条件で家を建てやすくなります。

 

自治体ごとに条件や金額が異なることから、住みたいエリアの制度を事前にチェックし、申請の準備を行うと良いでしょう。

 

東京から地方への移住、子育て世帯を中心に若者の移住を支援する制度など、さまざまな条件で助成金・補助金がもらえるため、活用できる制度を調べることをおすすめします。

 

郊外や地方・中古物件も検討する

都心と比較して、郊外・地方では土地の取得費用を大幅に抑えられるケースが多く、同じ予算でもより広い物件が手に入りやすくなります。

 

新築だけでなく中古物件や建売住宅も検討することで、家を建てるための費用を低く抑えられます。エリア・物件の種類ごとに相場が異なるため、予算に合った選択をしましょう。

 

年収が少ない状態で家を購入するなら、譲れない条件を除いて、ある程度は条件を妥協して物件を選ぶ必要が出てきます。

 

専門家に相談して対策を練る

家の購入は人生最大の買い物であるため、できる限り理想に近い形で物件を購入したいところです。失敗しないためには、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをおすすめします。

 

プロのアドバイスを受けることで、適切な返済計画、税制面の優遇措置、助成金・補助金制度などを教わることができます。

 

低い年収で家を建てる場合も対策を練られるため、個々の状況に合わせて最適な提案を受けられる専門家に相談しましょう。

 

最後に家を建てるとき、年収以外に考慮するべき要素を紹介します。

 

家を建てるときに年収以外に考慮するべき要素

年収に問題がない場合も、金融機関の審査では年収以外の要素を含めて総合的に審査されます。そのため、年収以外に考慮するべき要素を以下にまとめました。

 

・勤続年数
・信用情報
・完済時年齢

 

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

勤続年数

住宅ローンの契約者の勤務情報は年収だけでなく、勤続年数も重視されます。現在の勤務先の在職期間が長いほど、収入が安定していると判断されるからです。

 

長い勤続年数は転職リスクが低く、ローン返済の安定性を示します。一方で、勤続年数が短い場合は、年収が高くても収入の安定性を疑われる可能性があります。

 

転職直後など勤続年数が極端に短い状態では、住宅ローンの契約に不利に働くかもしれません。その場合は、現在の職場で一定期間継続して勤務をしてから、家を建てるほうがいいでしょう。

 

信用情報

信用情報は、現在の借入状況・返済履歴、クレジットカードの利用状況、延滞や債務整理などの記録を指します。住宅ローンの契約者は信用情報により、金融機関の基準で信用力が評価されます。

 

クレジットカードを含めた返済の延滞などがなければ、良好な信用情報と判断されるため、住宅ローンの契約で不利になることはありません。

 

しかし、信用情報の不備や問題に心あたりがあるなら、住宅ローンの審査において不利になることがあります。

 

信用情報は一般的に5年~7年の間は記録されますが、期間を過ぎると削除されます。信用情報にキズをつけることがないように気をつけていれば、将来にわたって審査で不利になるわけではありません。

 

完済時年齢

完済時年齢は、住宅ローンの返済が完了する時点での年齢のことです。住宅ローンの返済計画を立てるうえで重要なポイントであり、完済時年齢が高いほど収入減少や健康面のリスクが高くなります。

 

特に完済時年齢が定年退職後になる場合は、将来的に収入が減少することから金融機関の審査で不利になることもあるでしょう。

 

年収の低さから十分に貯金をするために時間をかけてから住宅ローンを組むと、完済時年齢が上昇するリスクもあります。

 

完済時年齢が低くなることだけを考えるなら、家を建てる年齢は若いほうがいいといえるでしょう。

 

しかし、年齢が若いほど年収が少なく、希望する家を建てることが難しくなります。

 

年収・貯金、完済時年齢のバランスを含めて、家を建てるための最適な人生設計は非常に難しいことから、専門家であるファイナンシャルプランナーの適切な提案が重要になります。

 

家を建てるために必要な年収は人や物件によって異なる

家を建てるために必要な年収は、購入したい物件によって異なります。しかし、返済負担率を考えれば、現実的に返済できる住宅ローンの返済計画や物件価格の目安を求められるでしょう。

 

年収が低く自信がない人ほど適切な計画を立てることが難しいため、少しでも理想の家を建てたいなら専門家への相談が必須です。

 

ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談をして、家を建てるために解決するべき課題を認識することから始めましょう。


この記事を書いた人
本城徹治
お客様との関わりと結婚を機に大切な人を守ることの使命を強く認識し、コールセンターから大手損害保険会社へ転職する。その後「...
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