ライフステージの変化や、周りの人がマイホームを手に入れたのがきっかけで「家を買う年齢なのか」と実感した経験がある方も多いでしょう。
住宅ローンの返済を考えると、マイホームを購入する年齢は意識しておかなくてはいけません。
この記事では、物件の種類別にマイホームを購入した平均年齢を紹介します。自分が何歳頃に家を買うのがよいのか迷っている方は、ぜひご参考ください。
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まずは、マイホームを購入した平均年齢を見ていきましょう。
マイホームの種類は大きく分けて5種類です。
1.注文住宅
2.分譲戸建住宅
3.分譲集合住宅
4.中古戸建住宅
5.中古集合住宅
国土交通省の調査によると、物件の種類別の平均年齢は、下記の結果でした。
マイホームの種類 | 購入した平均年齢 |
注文住宅 | 39.5歳 |
分譲戸建住宅 | 37.5歳 |
分譲集合住宅 | 39.9歳 |
既存(中古)戸建住宅 | 43.6歳 |
既存(中古)集合住宅 | 43.7歳 |
引用:国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」
このデータをもとに、物件の種類別に購入した年齢の比率をご紹介します。
マイホームを購入した年齢 | 割合 |
30歳未満 | 15.6% |
30歳代 | 45.1% |
40歳代 | 22.6% |
50歳代 | 8.3% |
60歳以上 | 7.8% |
引用:国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」
注文住宅とは、自分が間取りや設備を決められる一軒家のことです。不動産会社やハウスメーカーに依頼して一から建てるのが特徴で、自分好みのマイホームを手に入れられます。
子どもができたり両親と同居したりと、ライフステージの変化のタイミングで広い家に住みたいと考える30代の購入者が多い結果でした。
世帯主の年齢 | 割合 |
30歳未満 | 15.2% |
30歳代 | 50.4% |
40歳代 | 25.2% |
50歳代 | 6.8% |
60歳以上 | 2.4% |
引用:国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」
分譲戸建住宅とは、不動産会社が購入した土地に住宅を建築して販売する一軒家のことです。あらかじめ外装と内装が決められているため、注文住宅よりも価格を抑えてマイホームを手に入れられます。
分譲戸建住宅は、30代の購入者が半数と、ほかのマイホームと比較してもっとも30代の割合が大きい結果でした。また、平均年齢も若く、平均37.5歳でマイホームを手に入れています。
世帯主の年齢 | 割合 |
30歳未満 | 9.0% |
30歳代 | 45.2% |
40歳代 | 28.1% |
50歳代 | 9.5% |
60歳以上 | 5.2% |
引用:国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」
分譲集合住宅とは、一棟のマンションを区分けして一戸ごとに販売している家のことです。分譲譲渡を短くして分譲マンションと呼ばれています。駅近など、立地がよい場所に建てられている場合が多いです。
分譲集合住宅は、ほかのマイホームと比較して40代の購入者が多い結果でした。最近では、一人暮らし向けや高齢者向け、ペット可能などさまざまなライフスタイルに対応しているため、人生設計が決まった段階で購入する方も多いようです。
世帯主の年齢 | 割合 |
30歳未満 | 7.4% |
30歳代 | 32.7% |
40歳代 | 32.7% |
50歳代 | 15.7% |
60歳以上 | 10.6% |
引用:国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」
中古戸建住宅とは、過去に誰か人が住んでいた一軒家のことです。新築よりも価格帯が低めで、あまり予算がないけれど広い家に住みたい方に向いています。
中古戸建住宅は、新築のマイホームと比較して、30代と40代の割合が同じ結果でした。費用を抑えた分、住宅ローンの借り入れを少なくして購入できるため、平均年齢よりも遅くに購入する方も多いです。
世帯主の年齢 | 割合 |
30歳未満 | 8.5% |
30歳代 | 32.1% |
40歳代 | 32.1% |
50歳代 | 14.7% |
60歳以上 | 10.7% |
引用:国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」
中古集合住宅とは、過去に誰か人が住んでいたマンションのことです。中古戸建住宅と同じく価格帯が低めなため、都心に家を買いたい方に最近注目されています。
中古集合住宅も中古戸建住宅と同じく、30代と40代の割合が同じ結果でした。また、60歳以上の購入がもっとも多く、高齢者向けマンションや立地のよい場所への移住を求めて購入するケースもあるようです。
種類別にマイホームを購入した平均年齢をご紹介しましたが、平均年齢に近いからといって、必ずしも購入しなければいけないわけではありません。
平均年齢に該当しているからといって、焦って購入してしまうと途中で返済が厳しくなったり、ライフステージの変化で泣く泣く手放さなくてはいけない可能性が出てきます。
マイホームを購入する場合、平均年齢だけではなく、自分が家を買う準備が整っているかで決めるようにしましょう。
マイホームを購入するタイミングとして意識する方が多いのが、ライフステージの変化です。
例えば、結婚して、二人の職場へのアクセスがよい立地にマイホームを購入することもあるでしょう。また、子どもができて家族が増えたときに、学校に近いマイホームを購入したりと、将来の暮らしに合わせて購入するケースがあります。
将来の暮らしが不透明なまま購入すると、マイホームに不満が出てしまい、後悔する恐れも考えられるでしょう。
「家族が増えたときに購入すればよかった」「今後も独身でいるし自分好みの家にすればよかった」など、購入してから後悔しないように、将来設計がある程度決まったタイミングで考えましょう。
マイホームは、購入したあとは住宅ローンを完済しなくてはいけません。もし完済できずに、途中で支払不能に陥った場合は、手に入れたマイホームを手放す結果になってしまいます。
マイホームを購入するとき、一生住む家だからと夢物語で考えてしまう方も少なくありません。しかし、実際のところ30年以上住宅ローンを払い続けなければいけないため、完済まで支払えるかどうかは非常に重要です。
「今後、給料が上がるだろうし」「残りは退職金で支払えば大丈夫だろう」など、希望的観測で購入しないで、返済シミュレーションを立てた上で完済できるか考えましょう。
住宅ローンを借り入れするには、安定した収入がなければいけません。返済シミュレーションを立てる以前に、希望のマイホームに手が届く年収なのかを確認してみましょう。
マイホームの価格は、年収の3〜7倍が目安といわれています。下記の、物件ごとの価格相場をチェックして、現状の年収で希望のマイホームの購入が現実的か考えてみましょう。
物件の種類 | 物件の平均価格 |
土地付き注文住宅 | 4,694万円 |
建売住宅 | 3,719万円 |
中古戸建 | 2,704万円 |
マンション | 4,848万円 |
中古マンション | 3,157万円 |
引用:住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」
下記の、物件種類別の平均世帯年収も併せてご参考ください。
物件の種類 | 平均世帯年収 |
注文住宅(全国) | 731万円 |
注文住宅(三大都市圏) | 784万円 |
分譲戸建住宅 | 722万円 |
分譲集合住宅 | 923万円 |
既存(中古)戸建住宅 | 682万円 |
既存(中古)集合住宅 | 609万円 |
引用:国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」
もし、年収が届いていない場合はマイホームの希望を下方修正するか、ある程度年収が上がった段階での購入をおすすめします。
もし、現時点で購入時の平均年齢を超えていても、マイホームを諦める必要はありません。
先ほどの物件の種類別の平均年齢を見ても、50代・60代で購入している方も多く、特に中古物件は10人に2〜3人が50代・60代で購入しています。
マイホームを購入するには、将来設計に合わせた物件選びと返済能力が大切です。よって、この条件を満たしていれば年齢関係なく購入が可能でしょう。
ただし、年齢を重ねてからマイホームを購入する場合、メリットとデメリットがあります。購入を考えている方は、それぞれ確認しておきましょう。
収入が安定してからマイホームを購入できるため、理想の家を手に入れやすいのがメリットです。
平均予算が高めの注文住宅や分譲集合住宅なども手が届き、お金で諦めることが少ないため後悔しない選択ができます。
また、子どもがある程度大きくなっているケースが多いため、子どもの要望を取り入れながら物件を決められるのも見逃せません。選択肢が広がり、物件を選ぶ楽しさがあるのも嬉しいですね。
自分の将来を見据えたマイホームを購入できるのがメリットです。独立した子どもの近くに移住したり、病院や介護施設が近い場所を選んだりと、自分のことを考えたマイホーム選びができます。
また、今後を見据えてバリアフリー化されている物件を選ぶことで、リフォームや建て替えの心配をしなくて済むでしょう。特に、集合住宅は公共交通機関が発展している立地が多いため、将来車に乗らなくなったときも住みやすい生活が可能です。
一方で、ある程度予算がない状態で物件を購入する場合、定年後も住宅ローンの支払いが残っているのがデメリットです。
なかには、退職金を当てにして住宅ローンを組むケースもよくありますが、もし想定よりも少ない金額だった場合、一気に返済不能に陥る恐れも考えられるでしょう。
定年後や今までの貯金と年金で生計を立てるため、まとまった支出である住宅ローンが重みになる可能性があります。
物件は高額なため、新築・中古問わず住宅ローンを借り入れしてマイホームを手に入れるのが一般的です。しかし、年齢が定年に迫っていると住宅ローンの審査に通らない恐れがあります。
住宅ローンの審査に通らないと、借入額を減らすか一括で購入する選択肢になるため、経済状況によっては諦めなければいけないかもしれません。
なかには、70歳まで住宅ローンを組めるプランを用意している金融機関もありますが、本当に70歳まで支払い続けられるかよく考えてから組みましょう。
結論、何歳になったらマイホームを購入しなければいけない決まりはありません。
しかし、一般的には30代が一番多い結果でした。その理由は、住宅ローンの完済がちょうど定年あたりになるからです。住宅ローンは30年〜35年で完済を目指すプランが一般的なため、逆算すると30代が多い結果になるでしょう。
ただし、まとまったお金を貯めていて、年齢を重ねてから一括や短期間で購入する方も少なくありません。大切なのは、完済できるかどうかです。
また、結婚や出産がマイホームの購入の後押しになっているケースも多いです。しかし、今はライフスタイルも多様化しており、人生設計で考えていない場合はあまり意識しなくてもよいでしょう。
それぞれ「マイホームを持ちたい」と思い始めた年齢が、その人のベストタイミングです。
マイホームを購入した平均年齢は40.8歳ですが、平均年齢だけが理由で購入するのはおすすめしません。自分にとってのタイミングが今でなければ、マイホームを手に入れても後悔する可能性があるでしょう。
購入年齢にこだわりすぎず、それぞれのペースでよく考えてから決めるのがおすすめです。また、マイホームの購入はお金が関わってくるので、予算と返済計画を立ててから購入を決めましょう。
弊社では住宅購入前後に特化してお金の相談を承っております。マイホームの予算の立て方に困っている方や、年齢に合った返済方法が知りたい方はお気軽にお問い合わせください。