新築マンションは非常に高額な買い物のため、人生で大きな決断となります。すべての新築マンションが自分にとってベストとは限りません。そのため、購入すべきかを慎重に判断しなければ、後悔する可能性があるので注意が必要です。
この記事では、新築マンション購入時に押さえておくべき12個の注意点を解説します。購入を検討する際に見落としがちなポイントをチェックして、憧れの新築マンションを手に入れましょう。
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新築マンションは購入費用が高額になります。そのため、初期費用や住宅ローンの返済計画はもちろん、購入後にかかる費用を予測することが大切です。
まずは、お金に関する新築マンションを購入するときの注意点を見ていきましょう。
2024年3月までは経済活動の活発化を狙い、企業や個人が資金を借りやすくなるようマイナス金利政策が取られ、低金利が続いていました。マイナス金利政策が解除され、少しずつ住宅ローンの金利を上げている金融機関も現れています。
とはいえ、低金利であることには変わりありません。また、低金利でも高額な借金を背負うことには間違いありません。完済するのに現実的な金額かを考えて借入可能額を計算しましょう。
特に、20代や30代で新築マンションを購入する場合、結婚や子どもの学費、親の介護など、今後のライフプランによっては返済が苦しくなるケースも考えられます。将来の支出も考えながら、無理のない返済計画を立てましょう。
新築マンションを購入するタイミングで必要なお金が、諸費用です。諸費用とは、手数料や税金などマンションの物件価格以外にかかるお金を指します。
新築マンションの諸費用の目安は、物件価格の3~5%程度です。下記を参考に、新築マンションの諸費用の目安をチェックしましょう。
新築マンションの物件価格 | 諸費用の目安 |
3,000万円 | 90万円〜150万円 |
4,000万円 | 120万円〜200万円 |
5,000万円 | 150万円〜250万円 |
例えば、新築マンションの物件価格が4,000万円で、諸費用が200万円だった場合は、入居までに最低でも200万円は用意しておく必要があります。支払うべきお金は、物件価格だけではないので注意が必要です。
物件価格が高額になるほど諸費用も高額になるので、手持ちが少ない場合は物件価格を下げるなど、予算の見直しをしましょう。
住宅ローンを借り入れて新築マンションを購入した場合、毎月返済をしなくてはいけません。また、住宅ローンの返済とは別に、管理費や修繕積立金などの固定費が発生します。
時期によっては固定資産税や都市計画税もかかるため、住宅ローンのみの返済計画を立てていると支払いが厳しくなるので注意しましょう。住宅ローンの返済額は、ある程度余裕を持って設定することをおすすめします。
新築マンションを購入しても、ライフステージの変化や不測の事態により、途中で手放すことになるケースも珍しくありません。その場合、少しでも高く売れるように、将来の資産になるかを確認することも大切です。
資産価値が落ちにくい新築マンションを購入すると、万が一のときでも売却できるので、将来的にもより安心できます。資産価値が落ちにくいマンションの具体例は、ターミナル駅周辺にある物件や商業施設や学校が周辺に充実している物件などが挙げられるでしょう。
将来を見据えて、需要の高い立地かどうかで選ぶのもおすすめです。
新築マンションを購入する際、周辺環境は住みやすさや資産価値に大きく影響します。交通の利便性の高さや商業施設の有無など、毎日住む上で快適な環境かどうかは大切です。
次は、環境に関する新築マンションを購入するときの注意点を見ていきましょう。
新築マンションは、現行の耐震基準を満たしており、耐震性が高い点が特徴です。そのため、震度6強~7程度の大規模地震が起こっても、倒壊する可能性は低いでしょう。しかし、立地によっては洪水リスクが高い場合もあるので注意が必要です。
特に、低層階の部屋を購入する場合は浸水する可能性もあるでしょう。洪水や津波などの水害リスクを考えて、海抜の高い地域にあるマンションや高層階の部屋を購入するのがおすすめです。
商業施設や病院が近くにあるなど、毎日過ごす上で住みやすい周辺環境かどうかは大切です。高齢になって車や公共交通機関での移動が難しくなった場合でも、徒歩圏内で生活が成立するマンションは長期的に住めるでしょう。
また、将来マンションを売却して、住み替えたり賃貸に出したりする場合も、住みやすい環境にあれば、マンションの資産価値が落ちにくく売却できる可能性も上がります。
ただし、駅が栄えすぎていると夜遅くまで人の往来が多く、騒音が煩わしく感じるリスクもあるので注意しましょう。また、夜間に酔っ払いや大人数のグループがマンション近くにいて治安が気になる可能性も考えられます。マンションの下見に行くときは夜間の環境もチェックすると安心です。
毎日の通勤や通学が不便な立地の場合、日々のストレスが積み重なって不満に感じる可能性があるでしょう。そのため、通勤や通学は問題ないかを確認することも大切です。
特に、20代や30代の若い夫婦世帯は今後何十年と通勤をするため、立地は慎重に選ぶ必要があるでしょう。もし今後、子どもができた場合は安心して通学できる道があるかも考えなければいけません。
将来も考えたマンション選びをして、毎日のストレスを軽減しましょう。
マンションによって入居者の特徴が異なるので、どのような入居者が多いのかもチェックしましょう。ある程度入居者が埋まった新築マンションであれば、不動産会社に入居者の傾向をリサーチすると、自分に合ったマンションかどうかを判断しやすくなります。
50代や60代が多いマンションの場合は、静かで落ち着いた雰囲気のマンションだと判断できます。そのため、夫婦二人や一人暮らしにおすすめです。逆に、20代や30代のファミリー層が多い場合は、にぎやかで子育てしやすい環境である可能性があるでしょう。
入居者がストレスにならないためにも、あらかじめおおまかな予測をしてトラブルを防ぐことが大切です。
マンションを購入する場合、共用部分のチェックは見逃せないポイントです。エントランスやエレベーター、駐車場、ゴミ置き場など。共用部分の設計や管理体制が生活の快適さに大きく影響します。
また、共用部分の維持費や修繕費が、将来の負担になる可能性もあるので忘れずにチェックしなくてはいけません。
最後は、共用部分に関する新築マンションを購入するときの注意点を見ていきましょう。
エントランスやオートロック、エレベーターや宅配ボックスなどマンションの共用設備を確認しましょう。オートロックのシステムやエレベーターの台数など、生活をする上で便利で使いやすいかは大切です。
新築マンションの場合、各戸ごとに宅配ボックスが設置してあるケースも珍しくないので便利でしょう。逆に、全入居者分の宅配ボックスがない場合、届いた荷物の再配達を依頼しなくてはいけないので、不便な思いをする可能性があります。
ただし、共用設備が充実しているほど毎月の管理費が高額になるため注意が必要です。
マンションによっては、災害時に備えた対策をしている場合も多いです。例えば、全入居者分の防災備蓄倉庫があったり、AEDや担架などが竣工時から備えられていたりと、万が一の場合でも安心できるようになっています。
また、洪水リスクがある地域の場合は、建物内に水が侵入するのを防ぐ工夫をしているマンションもあるでしょう。2024年夏に南海トラフ地震臨時情報が発表されていたのは記憶に新しいかと思います。もしものときに備えたマンションだと嬉しいですね。
ある程度入居者が埋まり始めた新築マンションの場合は、共用部分の管理体制を確認しましょう。ゴミや郵便物が散乱している状態や駐輪場が荒れている状態の場合、入居者のモラルや管理体制の質がよくない可能性があります。
マンション自体は新築なので外観はキレイに見えるかもしれません。しかし、共用部分にすでに汚れや傷が目立ち、築年数が経っているように見える場合は注意が必要です。
マンションによっては、ペットの飼育が制限されている場合があります。もし、ペットの飼育が許可されている場合でも、サイズや数、共用部分での移動方法などに細かい規則がある可能性も考えられるので注意しましょう。
規則を事前に確認しておかないと、引越し後にペットとの生活に支障が出る可能性があります。ペットを飼いたいと考えている場合は確認するようにしましょう。
最初は魅力的に感じて契約した新築マンションも、途中で気が変わってキャンセルしたくなるケースもゼロではありません。しかし、契約後のキャンセルは、状況によってペナルティが生じる可能性があるので注意が必要です。
基本的には、売買契約時に支払った手付金を放棄してキャンセル扱いになるケースが多いでしょう。売買契約時の手付金は、購入代金の5~10%が相場となっており、決して安い金額ではありません。そのため、勢いで契約せず、よく考えて判断しましょう。
売買契約後にキャンセルする場合は、手付金の放棄のみで解約できるケースが多いです。しかし、鍵の引き渡しや所有権移転登記の申請手続き中など、入居までの手続きを進めていた場合は、別途で違約金が発生する可能性があるので注意しましょう。
違約金は手付金よりも高額になり、購入代金の10~20%程度が相場です。そのため、高額な新築マンションを購入した場合は、違約金だけで数百万も支払うおそれがあるでしょう。
手続きが進むほど、キャンセルするためのお金も高額になるため、購入を決めるときは慎重に判断しなくてはいけません。
新築マンションの購入は大きな決断だからこそ、注意点をしっかりチェックして、後悔しない選択をしなくてはいけません。完済するまでの現実的なプランや住みやすさ、将来的な資産価値など多方面から検討して、理想の新築マンションを手に入れましょう。
弊社では、住宅購入前後に特化してお金の相談を承っております。「マンション購入の予算はどれくらいが適切? 」「住宅ローンの借入はいくらまで? 」など、お困りのことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。