独身で貯金が1,500万円程度あり、余裕のある生活を送っているものの、
「このまま安心していていいのだろうか?」
「将来もっとお金が必要になるのではないだろうか?」
と、心配になっている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、金融資産1,500万円を保有していれば「将来も安心なのか」、「対策が必要であればどのような対策をすればよいのか」を解説しています。
ぜひ、最後までお読みください。
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この章では、年齢別と持ち家別に、独身で1,500万円以上の金融資産がある人の割合を解説しています。
知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」を参考にすると、単身世帯で年齢別に1,500万円以上の金融資産がある人の割合は、以下のようになります。
世帯主の年齢 | 1,500万円以上の金融資産保有割合 |
20歳代 | 1.3% |
30歳代 | 9.0% |
40歳代 | 12.4% |
50歳代 | 17.8% |
60歳代 | 27.3% |
70歳代 | 30.1% |
表を見ると、年齢が高くなればなるほど、1,500万円以上の金融資産を保有している人の割合は高まる傾向にあります。
70歳代になると約30%の人が1,500万円以上の金融資産を保有しており、3人~4人に1人が1,500万円以上の金融資産保有者です。
ただ、ほとんどの年代で金融資産が1,500万円以上ある人は30%以下であり、金融資産を1,500万円以上保有している人は、比較的、お金持ちの部類に入るといえるでしょう。
知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」によると、単身世帯で持ち家別に1,500万円以上の金融資産がある人の割合は、以下のようになります。
持ち家別 | 1500万円以上の金融資産保有割合 |
持家 | 32.6% |
持家でない人 | 8.4% |
表を見ると、持家の人が32.6%で非持家の人が8.4%と、1,500万円以上の金融資産を持つ人は、持家でない人に比べて持家の人が約4倍多くなっています。
持家の人のほうが、お金が貯まりやすい傾向にあるといえるでしょう。
また、単身の持家でない人で1,500万円以上の金融資産を持つ人は10%以下と、珍しい存在といえます。
参考:知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
独身の人が気になるのは、自身の老後ではないでしょうか。
「老後、日々の生活費は不足しないだろうか。」
「老後、自分で身の回りのことができなくなったらどうしよう。」
など、さまざまな不安があることでしょう。
この章では、独身の人の老後に必要なお金について解説しています。
総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)」によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支は、実収入134,915円、不足分20,580円です。
厚生労働省「主な年齢の平均余命」によると、男性の平均寿命は79.64歳。女の平均寿命は86.39歳となっています。より長い女性の平均寿命で考えると、年金受給年齢の65歳から約21年間が老後生活となります。
先ほどの家計収支の不足分が21年間続くとすると、
20,580円×12カ月×21年間=5,186,160円
が老後に不足するので、約520万円を貯金しておけば老後は安心ということになります。
ただし、上記の金額は、あくまでも毎月の支出の不足分のみを計算したものであり、介護費用やリフォーム代などの突発的に必要な資金は含まれていません。
また、物価の上昇も加味されておらず、今後、物価が上昇することで、住居費や光熱費、通信費などの生活費が上がると、上記金額以上に貯蓄が必要となります。
株式会社野村総合研究所「高齢者向け住まいにおける運営実態の多様化に関する実態調査研究報告書」によると、住宅型有料老人ホームの総額費用(月額換算)の平均金額は約12.2万円です。
住宅型有料老人ホームとは、民間の老人ホームで、要介護状態でない高齢者など、さまざまな状態の高齢者が利用可能で、食事や洗濯などの日常サービスが付いた老人ホームです。
住宅型有料老人ホームで老後生活を過ごすとすると、
12.2万円×12カ月×21年=約3,074万円
の資金が必要となります。
介護サービスの付いた、介護付有料老人ホームになると、総額費用(月額換算)の平均金額が約26.3万円となっており、必要額はさらに上がります。
また、老人ホームでは、入居一時金が必要になる場合もあり、入居一時金だけで数千万円以上が必要になるケースも。
老後の生活を自助努力でやっていくのか、老人ホームに入るのかによっても将来に必要な金額は変わります。
参考:株式会社野村総合研究所「高齢者向け住まいにおける運営実態の多様化に関する実態調査研究報告書」
65歳から住宅型有料老人ホームで過ごすとすると、約3,074万円が必要ということがわかりました。
総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)」によれば、実収入のうち、毎月平均121,496円の社会保障給付があります。
このまま社会保障給付の金額が変わらなければ、
121,496円×12カ月×21年=約3,062万円
を老後21年間で受取れることになります。
老後を有料老人ホームで過ごす場合、社会保障給付だけでは約12万円不足しますが、貯金が1,500万円あれば、余裕をもった生活ができるでしょう。
ただし、手術費用やその他突発的に必要となる資金は加味されていないのと、有料老人ホームに入る際の一時金は加味していないので注意が必要です。
可能であれば、老後までに1,500万円以上の資金を用意しておくと安心でしょう。
この章では、独身の人が1,500万円以上貯蓄する方法を解説しています。
コツコツと貯金をすることで、1,500万円以上の金融資産を築くことが可能です。
10年で1,500万円を貯めるなら、毎月12.5万円、20年で貯めるなら毎月6.25万円の貯金をすれば可能。
目標金額を貯めるまでの時間を味方にすれば、毎月の貯金額を減らすことが可能です。
毎月の貯金額をあまり多くできないという人は、時間を味方につけるとよいでしょう。
また、すでに1,500万円以上の貯金がある人も、コツコツと貯金をすることで、さらに資金を貯めることが可能です。
コツコツと貯金をするためには、まず、何年でお金をいくら貯めたいかを決め、毎月の貯金額を割り出します。
実際に、毎月の収入と支出を算出し、割り出した貯金額で貯金が可能であれば、自動積立定期預金などで、先取り貯金をしましょう。収入が入ったタイミングで自動的に貯金をする仕組みを作ってしまえば、お金が貯まりやすくなるでしょう。
ただし、収入の割に毎月の貯金額があまりにも多いと、生活費が不足する可能性があります。
毎月の生活費が不足する場合は、収入を増やすか、毎月の貯金額を減らし貯金をする期間を延ばすか、支出の見直し(節約)が必要です。
節約に関して、特に固定費(家賃や光熱費、通信費)を見直すことで、毎月の貯金額を増やすことが可能です。
家賃の安い住居へ移り住んだり、通信費を安いものに切り替えるなど、固定費を月に1万円節約できれば、年間で12万円ものお金を貯金にまわすことができます。
この機会に、毎月の収支を見直し、将来に向けた資金計画を立ててみてはいかがでしょうか。
1,500万円の資産がある人は、複数の資産運用を組み合わせて運用することをおすすめします。
1,500万円の資産があれば、ある程度、まとまったお金で投資が可能です。
また、毎月の収入がある人は、まとまった資金での投資に加え、毎月、コツコツと貯蓄や投資をすることも可能です。
さまざまな運用方法で投資をすることで、さらに資産が増える可能性があります。
例えば500万円を投資信託で運用し、毎月2万円を貯蓄型保険で貯蓄するなどです。
投資信託と貯蓄型保険の説明は、以下のとおりです。
投資信託 | 貯蓄型保険 |
投資家から集めたお金をまとめて、プロが株式や債券などに投資・運用する商品のことです。投資家は、それぞれの投資額に応じて運用成果を受け取ることができます。 | 掛け捨てではなく、貯蓄性の高い保険のことです。万が一の際に保険金が支払われるのはもちろん、満期時や解約時にもお金が支払われます。終身保険、養老保険、学資保険、個人年金保険などの種類があります。 |
他にもNISAやiDeCoを使って資産形成をする方法などもあります。
また、貯金が1,500万円以上ある人は、不動産投資も視野に入れてみましょう。
不動産投資とは、不動産を購入した時より高値で売却し、差益を得たり、購入した不動産から毎月の家賃を受け取ることで利益を得る投資方法です。
人によっては融資を活用し、保有している金融資産以上の金額の不動産を所有する人もいます。
さまざまな種類の運用方法があるので、自分に合った方法を組み合わせて運用をするとよいでしょう。
ただし、投資にはリスクがあります。しっかりとリスクを理解しながら、自身に合った資産運用方法を選択するようにしましょう。
収入を増やすことで、貯金に回すお金が増え、貯金をするスピードが上がります。
収入を増やすには、キャリアアップ(転職含む)や副業などを検討してみてはいかがでしょうか。
キャリアアップに関しては、政府も後押しをしています。
経済産業省は外部機関と連携し、リスキリングを通じたキャリアアップを目指す人向けの支援事業を開始。キャリア相談からリスキリング提供、転職支援までを一貫して実施する体制を整備しています。
また、厚生労働省はリカレント教育を後押し。
キャリア相談や学び直しにかかる費用の支援などに取り組んでいます。
各省庁でキャリアアップに関するさまざまな取り組みをおこなっており、キャリアアップへの間口が広がっています。
また、政府は、キャリアアップだけでなく副業も促進中。
厚生労働省は、「人生100年時代を迎え、若いうちから、自らの希望する働き方を選べる環境を作っていくことが必要であり、副業・兼業などの多様な働き方への期待が高まっています。」としています。
以前に比べ、副業を許可する企業も増えており、副業自体の種類も増えています。
せどり、プログラミング、ライター、オンラインサロン、講師業などさまざまな種類の副業があり、インターネットやAIの普及とともにさらにさまざまな副業が出てくるでしょう。
この機会に、収入を増やす方法として、キャリアアップや副業にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
参考:経済産業省
参考:厚生労働省
独身で1,500万円以上の金融資産がある人は、どの年代でも比較的お金持ちの部類に入ります。
ただし、そこに満足せずに、さらに高い目標を掲げ、貯金や投資をしようとする人も多いでしょう。
そして、さらに高い目標を掲げ、貯金や投資を目指す人のなかには、お金の扱い方がわからないという人も多いのではないでしょうか。
弊社では、資産状況や生活状況などさまざまな観点から資産に関するアドバイスが可能で、相談をおこなっています。