「貯金1,000万円でもセミリタイアできるの?」
「セミリタイアに向けて今からできることってなに?」
このように考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、セミリタイアのメリットや考え方、今からできることについて紹介しています。
セミリタイアをしたいと考えている人にとって有益な情報を記載していますので、是非最後までご覧ください。
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はじめに「セミリタイア」という言葉の意味を確認していきましょう。
似たような意味を持つ言葉が複数あるため、1つずつ解説していきます。
まずは、アーリーリタイアです。
アーリーリタイアとは、早期退職を意味する「early retirement」から生まれた和製英語で、定年退職の前に会社を退職することを指します。
アーリーリタイアは大きく分けると、セミリタイアと完全リタイアに分かれます。
1つ目は、セミリタイアです。
セミリタイアとは、定年退職前に働く時間を減らして自分の時間を増やすライフスタイルのことを指します。
具体的には、週に数日だけ働いたり、1日の働く時間を3時間にして働いたりすることなどが挙げられます。
働き続けるよりも収入が減るため事前にまとまった貯金をしておく必要がありますが、自分らしい自由な時間を過ごすことができるのがメリットと言えるでしょう。
セミリタイア後の必要な生活費や収入額によっては、20代などの早期にセミリタイアをすることもできます。
2つ目は、完全リタイアです。
完全リタイアとは、退職して仕事を全くせずに暮らすライフスタイルのことを指します。
具体的には、株式の配当収入や不動産投資による賃料収入、退職までに貯金をしてきたお金の中で生活をする状態が挙げられます。
セミリタイアとは異なり働くことを完全に辞めるライフスタイルであるため、セミリタイアを目指すよりも多くの貯金や資産が必要になるでしょう。
次に、FIREです。
FIREとは、経済的な自立と早期リタイアを意味する「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取った言葉です。
FIREはアーリーリタイアと同じ意味で使われることがありますが、FIREの場合は貯金よりも資産運用によって得られる収入で、退職をすることを指す傾向があります。
FIREも大きく分けると2種類で、フルFIREとサイドFIREがあります。
1つ目は、フルFIREです。
フルFIREとは、完全リタイア同様に退職後に仕事を全くせずに不労所得だけで暮らすライフスタイルのことを指します。
退職後に仕事をしないため十分な資産を保有する必要があります。
2つ目は、サイドFIREです。
サイドFIREとは、不労所得がありながらもある程度は働きながら暮らすライフスタイルのことを指します。
フルFIREと比べると不労所得を得ながら働く分、働き方の自由度が高いのが特徴的です。
セミリタイアがこれまでの貯金と、少しの仕事で得られる収入によって生活をするライフスタイルであると紹介しました。
それでは、貯金が1,000万円あればセミリタイアをすることはできるのでしょうか。
一般的に、1年間に発生する支出の25倍の資産があればセミリタイアができると言われています。
これは「4%ルール」と呼ばれ、米S&P株の成長率7%からアメリカのインフレ率3%を差し引いて算出された数字です。
例えば、年間の支出が400万円であれば1億円の資産があればセミリタイアができるということになります。
総務省が2023年2月に発表している家計調査報告書によると、2人以上の勤労者世帯における家計収支は以下の通りです。
実収入 | 可処分所得 | 消費支出 | |
毎月の金額 | 約20万円 | 約87万円 | 約141万円 |
つまり、年間の消費支出が約360万円となるため、約9,000万円の資産があればセミリタイアができるということになります。
年間の消費支出ごとの必要な資産額は以下のようになります。
100万円 | 200万円 | 300万円 | 400万円 | |
必要な資産額 | 2,500万円 | 5,000万円 | 7,500万円 | 1億円 |
ただし、貯金が少ない場合でもセミリタイアができる可能性があります。
セミリタイアの場合はこれまでの貯金に加えて働いた収入を得ることになります。
そのため、働く時間や得られる収入額によっては1,000万円の貯金でもセミリタイアが可能です。
例えば、年間支出が360万円あったとしても、働きながら年間320万円の収入を得られれば、カバーするべき金額は40万円となります。
1,000万円の資産や貯金があれば40万円の支出をカバーすることができます。
少ない貯金でセミリタイアを目指す場合は、収入を得られる仕組みを作っておくことが大切です。
セミリタイアをするメリットは以下の5つです。
・若いうちに自由な時間が持てる
・仕事のストレスから解放される
・キャリアにおける選択肢の増加
・新しいことに挑戦できる
・健康を維持できる
順番に見ていきましょう。
セミリタイアをする1つ目のメリットは、若いうちに自由な時間が持てることです。
セミリタイアをすることで、仕事に縛られない生活を送ることができます。
仕事量を減らして生活をするため自分自身の自由な時間を確保でき、やりたいことや好きなことを見つけることもできます。
若いうちに自由な時間が持てるのはセミリタイアをする大きなメリットと言えるでしょう。
セミリタイアをする2つ目のメリットは、仕事のストレスから解放されることです。
セミリタイアをすることで仕事上の人間関係から解放され、フリーランスなどで仕事する相手を選びながら働けます。
また、在宅勤務やフレックス制度などが導入されていない場合は、働く時間や場所などが限られています。
自分らしい働き方や生活をするためにも、セミリタイアを目指してみましょう。
セミリタイアをする3つ目のメリットは、キャリアにおける選択肢の増加です。
セミリタイアをすることで、自分のペースで仕事をすることができ、自分の得意分野や好きなことに集中して仕事に取り組めます。
そうすることで会社の業務に縛られないスキルを身に付けることにつながります。
セミリタイアをする4つ目のメリットは、新しいことに挑戦できることです。
セミリタイアをすることで、新しいことに挑戦するための時間や余裕ができます。
趣味や興味のあることを学んだり、社会貢献活動に参加したり、新しいビジネスを始めたりすることができます。
セミリタイアをする5つ目のメリットは、健康を維持できることです。
セミリタイアをすることで、ストレスを減らすことができ、運動や健康的な食事による健康維持にも時間を割くことができます。
そうすることで、健康を維持できて自分の好きなことに時間を費やすことができます。
セミリタイアに必要な考え方は以下の4つです。
・実現したい暮らしをイメージする
・必要な貯金額を考える
・リスクについて把握しておく
・自己投資をする
順番に見ていきましょう。
セミリタイアに必要な1つ目の考え方は、実現したい暮らしをイメージすることです。
将来的に実現したい暮らしをイメージすることで、その生活に必要な金額や実現するまでの期間を把握できます。
10年後に海外に移住したい、月に1度旅行に行きたいなど具体性を持たせることが大切です。
まずは自分が実現したい暮らしについて具体的にイメージしてみましょう。
セミリタイアに必要な2つ目の考え方は、必要な貯金額を考えることです。
実現したい暮らしをイメージできたら、それに向けて必要な貯金額を考えていきましょう。
先述した「4%ルール」に則って考えると必要な貯金額や資産額を把握できます。
都心で生活するのか地方で生活をするのかにもよって、住居費や固定資産税などの維持費も変動します。
セミリタイアに必要な3つ目の考え方は、リスクについて把握しておくことです。
リスクの詳細については後述しますが、セミリタイアをすることで抱えるリスクもあります。
働く時間が短くなることで自由な時間を手に入れ、自分が過ごしたいように生活できるためメリットだらけのように感じますが、リスクについても考えておくことが大切です。
セミリタイアに必要な4つ目の考え方は、自己投資をすることです。
セミリタイアを実現するためには、自分自身のスキルや知識を向上させることで、より高い収入を得たり、より豊かなライフスタイルを実現したりできます。
セミリタイア期間中に新しいスキルを学び、自分自身を成長させることが大切です。
セミリタイアをするために今からできることは以下の4つです。
・節約
・投資
・副業
・資格取得
順番に見ていきましょう。
1つ目は、節約です。
セミリタイアをするためには十分な貯金が必要です。
短い時間で会社員よりも収入を得られている場合にはこの限りではありませんが、多くの場合は会社員の収入よりも少なくなるでしょう。
そのため、十分な貯金をするためにも節約は欠かせません。
具体的には、保険料や携帯代などの固定費を見直すのが効果的でしょう。
2つ目は、投資です。
セミリタイアをするためには経済的な不安を払拭する必要があります。
貯金だけではなく投資をすることで資産形成を加速させることができるため、視野に入れておきましょう。
例えば、つみたてNISAを利用した投資で年利5%で毎月4万円を運用すると、以下のようになります。
4年 | 8年 | 10年 | 20年 | |
元本 | 192万円 | 384万円 | 480万円 | 960万円 |
運用益 | 約20万円 | 約87万円 | 約141万円 | 約684万円 |
3つ目は、副業です。
今から副業を始めることで収入源を増やし、より多くの貯金や投資をすることができます。
また、副業をすることで会社員に必要なスキルとは別のスキルを磨くこともでき、キャリアアップに繋げられる可能性もあります。
スキルアップをしながら副収入を得られるため、積極的に副業について学んでいきましょう。
4つ目は、資格取得です。
セミリタイアをする際に資格取得やスキルアップをしておくことで、有利に働くことがあります。
将来どのような働き方をしたいかによっても取得するべき資格が異なるため、実現したい暮らしをイメージしてから資格取得をするのがおすすめです。
セミリタイアが失敗すると言われる理由は以下の4つです。
・貯金が足りなくなる
・孤独を感じるようになる
・ライフプランのシミュレーション不足
・人生に対する意味の欠如
順番に見ていきましょう。
セミリタイアが失敗すると言われる1つ目の理由は、貯金が足りなくなることです。
想像していたよりも支出が多くなったり、収入が得られなかったりすると、貯金不足により生活を圧迫することになります。
実現したいと思っていた暮らしをすることができなくなり、再び会社員として働くことになりかねません。
セミリタイアをする場合には、暮らしを具体的にイメージして十分な貯金を確保できてからにしましょう。
セミリタイアが失敗すると言われる2つ目の理由は、孤独を感じるようになることです。
セミリタイアをすると、社会的なつながりが大きく減少することがあります。
会社員であれば同僚や上司、部下など多くの社員と関わることになりますが、退職することでこれらの関係値が薄れ孤独を感じやすくなります。
これにより孤独感や精神的な不安定感が生じることがあるため、失敗すると言われています。
セミリタイアが失敗すると言われる3つ目の理由は、ライフプランのシミュレーション不足です。
シミュレーションしていたライフプランとは違うイベントなどが発生すると、想定していた支出や収入、貯金額が不足することになります。
例えば、入院することになってしまった場合や両親の介護などが挙げられます。
あらゆる可能性を考慮してライフプランシミュレーションを行ってから、セミリタイアを実行しましょう。
セミリタイアが失敗すると言われる4つ目の理由は、人生に対する意味の欠如です。
セミリタイアをすると、現役時代に比べて時間が自由になり、何もしなくても生活が成り立つようになります。
そうなることで人生に対する意味や目的が欠如することがあり、人生に対する喜びや充実感が失われることがあります。
そのため、好きなことややりたいことを探し続けることやあらかじめ何歳で何をしたいのかを考えておくと良いでしょう。
今回の記事では、セミリタイアのメリットや考え方、今からできることについて紹介しました。
セミリタイアをすることで多くのメリットを得られる反面、具体的にイメージをしておかないと失敗をしてしまうリスクもあります。
まずは自分が実現したい暮らしを具体的にイメージして、必要な貯金額を把握することから始めてみましょう。