「貯蓄から投資へ」という言葉を聞かれたことのある方も多いのではないでしょうか。
政府も「資産所得倍増プラン」をかかげ、国民が投資することを応援しています。
「資産所得倍増プラン」とは、国民の保有している現預金を投資につなげることで各企業の成長に繋がり、それが結果として国民に返ってくるという好循環を生み出すための施策です。
その中でも、NISAの口座数を5年で倍増させたり、買付額を倍増させたりということが目標のひとつとされています。
ただ、いきなりそんな事を言われてもどうしていいかわからないという方も多いのではないでしょうか。
NISAとはいったい何?貯金とどう違うの?と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、投資初心者の方でもわかるようにNISAと貯金の違い、NISAは貯金の代わりになるのかについて解説いたします。
ぜひ、最後までお読みください。
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結論からお伝えすると、NISA(つみたて投資枠)は貯金の代わりにはならないと言われています。その理由は両者には、以下のような違いがあるためです。
NISA(つみたて投資枠) | 貯金 | |
元本 | 保証されない | 保証される |
区分 | 投資 | 貯蓄 |
利回り | 高い利回りを狙える | 低い |
税金 | 1,800万円まで非課税 | 預貯金の利息に20.315%の課税 |
運用手数料 | かかる | かからない |
ここからは、さらに詳しくNISA(つみたて投資)と貯金の違いについて解説いたします。
一つ目の違いは、その「目的」にあります。貯金は、お金を守ることが主な目的で、元本を減らさず安全に資産を維持する手段です。
教育費や住宅購入費、緊急時の備えなど、近い将来に必要となる資金を蓄えるのに適しています。
一方、NISAは投資を通じてお金を増やすことを目的としており、投資信託を活用して運用益が非課税になる制度です。
運用にはリスクがともなうため、当面使う予定のない余裕資金を活用するのが一般的です。どちらを選ぶかは「お金を守りたいのか、増やしたいのか」という目的によって決まります。
それぞれの特徴を理解し、自分のライフプランに合わせて活用しましょう。
二つ目の違いは、その「利回り」です。貯金は元本保証がある一方、利回りは非常に低く、資産を大きく増やすことは困難です。例えば、100万円を20年間預けても増える利息は数百円程度です。
一方、NISAは国内外の株式や債券に投資し、運用利回り2%~8%が期待できます。例えば、毎月3万円を年利4%で30年間積み立てた場合、資産は約2,080万円となり、元本の約2倍に増加します。
貯金は安全性、NISAは資産増加を目的に使い分けると良いでしょう。
三つ目の違いは、その「元本保証」です。NISA(つみたて投資枠)は投資信託を対象とした商品で、価格変動があるため元本保証はありません。
市場状況によっては資産が大きく増える可能性がある一方で、元本割れのリスクも伴います。
一方、貯金は元本保証があり、預けた金額が減る心配はありません。さらに、預金保険制度によって1,000万円まで保護される仕組みもあります。
ただし、貯金はインフレにより実質的な価値が目減りするリスクがある点に注意が必要です。
貯金の安全性とNISAの成長可能性を理解し、資金の用途や目的に応じてバランスよく活用することが重要です。
四つ目の違いは、その「税金」です。NISAでは投資信託や株式の運用益に約20.315%の税金がかからず、得た利益をすべて受け取ることができます。
一方、貯金の利子には約20.315%の税金が課税されます。例えば、10,000円の利子が発生した場合、税引き後に受け取れるのは7,969円です。
NISAを利用すると非課税のため、長期運用での資産形成が有利です。例えば、年間利回り5%で30年間運用した場合、課税口座よりも数百万円多く資産を増やせる可能性があります。
一方で、貯金は元本割れのリスクがない安全な選択肢ですが、税金により利息が目減りしてしまいます。
五つ目の違いは、その「手数料」です。NISAでは、投資信託やETFの運用に「信託報酬」や「取引手数料」などのコストが発生します。
これらは運用会社や販売会社に支払う管理費用で、銘柄ごとに異なるため、目論見書を確認することが重要です。
一方、銀行の普通預金や定期預金には基本的に手数料はかかりません。ただし、定期預金を途中解約した場合、適用される利率が低くなる点には注意が必要です。
NISAは手数料がかかる分、リターンが期待できる場合がありますが、貯金は低コストでリスクを抑えられる選択肢といえます。
貯金をコツコツ続けることは安心感を得られますが、資産を効率よく増やす観点では、NISA(つみたて投資枠)に注目する価値があります。ここでは、貯金と比較した際のNISAの3つの大きなメリットをご紹介します。
NISAを利用すると、貯金と比べて資産を大きく増やせる可能性があります。例えば、月々3万円を利回り3%で30年間運用した場合、元本は1,080万円ですが、運用益を含めた総資産額は約1,748万円になります。
一方、同じ金額を金利0.005%の貯金で積み立てると、総額は1,081万円にしかなりません。このように、NISAを活用すれば、運用利益が大きな差を生むのです。
NISAの最大の魅力は、運用益が非課税である点です。通常、投資で得た利益には約20.315%の税金がかかりますが、NISA口座を利用することで、この税金が免除されます。
貯金では運用利益に課税されるため、わずかな利息しか得られません。一方NISAでは、運用益を税金なしでそのまま受け取れます。
NISAは、金融機関によっては100円からでも投資が可能です。
楽天証券の場合、楽天ポイントやクレジットカードの利用で自動的に投資に充当できるサービスがあり、実質的に「お金を使わずに」始めることも可能です。
少額投資からスタートすることで、初心者でもリスクを抑えながら投資を学べます。
NISAを活用した資産形成を始めるには、事前に重要なポイントを押さえておくことが必要です。ここでは、初心者の方にも分かりやすく、具体的なポイントを解説します。
NISAを始める際には、まず自身の「リスク許容度」を把握することが重要です。リスク許容度とは、投資においてどの程度の損失や価格変動を許容できるかの度合いを指します。
これを把握することで、自分に合った投資商品を選びやすくなり、価格変動に影響されにくく、長期的な運用を続けやすくなるでしょう。
リスク許容度は年齢、収入、家族構成、投資経験などによって異なります。許容範囲を超えた投資は冷静な判断を妨げる可能性があるため、自分の許容範囲内で運用することが成功の鍵となります。
NISAを始めるにあたって、非課税投資枠の仕組みを理解することも欠かせません。NISAでは、年間最大360万円の非課税投資が可能です。
その内訳は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円となっています。生涯での非課税保有限度額は1,800万円であり、つみたて投資枠だけでこの金額に達することも可能です。
一方で、成長投資枠のみでは1,800万円全てを活用することはできません。投資枠を把握し、自分の投資スタイルやリスク許容度に合わせて枠を活用することで、迷わず計画的に資産運用を始めることができます。
NISAを活用して資産形成を行う際には、「長期で運用する」ことが大切です。
投資商品の価格は日々変動しますが、一時的な下落に動揺して売却してしまうと、価格が回復した際の利益を逃す可能性があります。長期的に保有することで、価格の回復を待つ余裕が生まれ、リスクを軽減することができます。
さらに、利益を再投資することで複利効果が期待でき、資産をより効率的に増やすことが可能です。
NISAの非課税メリットを最大限活用するためには、短期的な値動きに惑わされず、長期的な視点で資産形成を続けることが重要です。焦らず、着実に資産を増やしていきましょう。
NISAを始める際、どの金融商品を選ぶべきか悩むことがあるかもしれません。そのような場合には、ファイナンシャルアドバイザーなどの専門家に相談することをおすすめします。
相談先を選ぶ際は、相談料が発生するかどうか、長期的なサポートが期待できるか、そして自分に合った商品を提案してくれるかを確認しましょう。
ただし、最終的な意思決定は自己責任で行う必要があります。専門家のアドバイスを参考にしつつ、自身の資産状況や目標に合った投資方針をしっかりと考えることが大切です。
NISAと貯金の違いや運用を始めるときのポイントについて解説しました。
NISAを始める際には、自身のライフプランやリスク許容度を考慮しながら、無理のない範囲で運用を検討することが大切です。長期的な視点を持ちつつ、賢く資産形成を進めていきましょう。
弊社では、どのように資産形成をしていけば良いのかなどのアドバイスを個別に行っています。
興味はあるけれど、自分では資産形成をどうやってすれば良いのかわからない、投資に一歩踏み出すことができないという方は、是非一度、弊社スタッフまでご相談ください。