マンションの価格は、都心を中心に年々高騰していることから、中古マンションの需要が高まっています。しかし、中古マンションといっても非常に高額な買い物のため「できれば少しでも安く購入したい」と考えている方は少なくないでしょう。
実際のところ、中古マンションの値引き交渉は可能です。そのため、タイミングによっては提示されている物件価格よりも、安く購入できるかもしれません。
この記事では、中古マンションの値引き交渉のポイントと注意点を解説します。中古マンションの購入を考えている方は、参考にしてください。
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結論から言うと、中古マンションの値引き交渉は可能です。中古マンションは決められた定価がなく、相場価格を参考に売主が価格を決めています。そのため、売主が納得した価格であれば、値引き交渉しても問題ありません。
なお、新築マンションでも値引き交渉は可能ですが、定価が存在しているため難しいでしょう。また、完成してからの日数が経っていたり、階層が低かったりと、人気がない物件のケースでの交渉が多いです。
中古マンションのほうが、決められた定価がないため、値引き交渉をしやすいでしょう。
中古マンションの値引きが可能といっても、実際のところどれくらい値引きできるのかは気になりますよね。
一般的な値引きの相場は、当初の売り出し価格の3%〜10%を目安に考えましょう。例えば、4,200万円の物件の場合は、126万円〜420万円が目安になります。
中古マンションの価格は、相場価格を考えたうえで決められているため、もともと高額に設定していないケースがほとんどです。そのため、値下げ交渉をしたからといって、劇的に価格が下がる期待はできないので注意しましょう。
よくあるケースとしては、端数を値引きする場合が多いです。例えば、4,280万円の物件を値下げするなら、端数を引いて4,200万円にするなどが考えられます。この場合は、値引き相場である3%〜10%以内のため、値下げ交渉がうまくいく可能性が高いでしょう。
先述したように、値引き相場は3%〜10%が目安です。そのため、値下げ交渉が可能であっても、大幅な値下げはできないため、注意しましょう。
住宅は大きな買い物であるため、少しでも安く購入したい気持ちは誰しもあるでしょう。しかし、10%以上の大幅な値下げ交渉は現実的ではないため、避けた方がよいでしょう。
売主は少しでも高い価格で売りたいと考えるため、相場以上の値下げはできない可能性が高いです。もし、定価でも購入したい購入者がいれば、そちらを優先するのは当然でしょう。
10%以上の値下げをしないと購入できない場合は、予算を見直すことをおすすめします。
中古マンションの値引き交渉のベストなタイミングは、申し込む段階です。内覧を重ねて、不動産会社とある程度の信頼関係を築けている状態であることから、交渉を持ちかけやすいでしょう。
また、値下げ次第で購入してもらえる可能性が高いと考えているため、値引き交渉にも前向きに取り組んでもらえます。逆に、初回の内覧や問い合わせの段階で値引き交渉をしても、うまくいかない場合が多いです。
ある程度、購入の温度感が高いと判断されてからのほうが、値引き交渉に入りやすいので覚えておきましょう。
中古マンションの値引き交渉は、希望する物件の住宅ローンの事前審査に通過していることも重要です。もともとの販売価格での住宅ローンの審査に通っていれば、信頼できる取引相手として認識されるでしょう。
住宅ローンの審査に通る前に値下げ交渉をしても、取引可能な購入者であるかは売主にはわかりません。値下げをしたあとに審査に通過しないようであれば、購入できないため意味がないでしょう。
中古マンションの値引き交渉を成功させるためにも、住宅ローンの事前審査に通過してから交渉することをおすすめします。
中古マンションの値引き交渉を成功させるためにも、交渉のポイントを押さえておきましょう。
ここからは、中古マンションの値引き交渉のポイントを5つ紹介します。
中古マンションを探している地域によっては、そのマンションだけではなく、複数の中古マンションが売りに出されている場合があります。
目当ての中古マンションだけではなく、そのほかの中古マンションの相場価格も把握しておきましょう。売主は、相場価格を参考に価格を決めていますが、周りの中古マンションよりも価格が高い場合、あらかじめ値引きを見越した価格設定がされている可能性があります。
事前に相場を知っておかないと「値下げしてもらえてラッキー」だと思ったら、実際には値下げ後が適正価格だったケースも珍しくありません。そのため、自分で事前に調べておくとよいでしょう。
ただし、相場よりも高額である中古マンションが必ずしも悪いわけではありません。なかには、リノベーション済みで工事の費用が上乗せされている場合や、立地や環境がよく、すぐに売れる人気がある物件の場合もあります。
相場よりも高いからと除外するのではなく、気になった物件は不動産会社に問い合わせてみましょう。
狙っている中古マンションの販売時期をチェックしてみましょう。販売開始から間もない場合は、値引き交渉をしても失敗する可能性があります。
売主にとっても、いきなり値引きして売るのではなく、まずは定価で購入を希望する方を待つのが自然でしょう。
特に、築年数が経っていない物件や人気があるエリアの物件の場合は、需要が高く値下げをしなくても売れる可能性があるので、交渉しにくいです。そのため、値下げを狙っている場合は販売開始から時間が経っている中古マンションを探すとよいでしょう。
買付証明書とは、購入したい物件に対して購入する意思を示すための書類のことです。勤務先や年収などの個人情報や購入希望価格が記載されています。
買付証明書に値下げした金額を記載して、売主に「この価格であれば購入する」という意思を伝えましょう。住宅ローンの審査に通過して、買付証明書を提出すれば、購入する意思がアピールできます。
口頭で値下げ交渉を進めるよりも、正式な書面で交渉する方がより熱意が伝わるため、必ず購入したい物件は早めに出すようにしましょう。
ただし、買付証明書を出してから取り下げる場合は、キャンセル料が発生する可能性があります。そのため、値下げ交渉がもし失敗しても購入する物件であることが前提です。
値引き交渉は、購入者が売主と直接やり取りするケースはほとんどありません。多くの場合、不動産会社が間に入って交渉をしてくれます。
そのため、中古マンション売買の取引実績が豊富で、交渉が得意な不動産会社に依頼するのがおすすめです。もし、売主が値引きを考えていなかった場合でも、不動産会社によっては当初の価格設定よりも安く購入できる可能性があります。
また、不動産会社によってはマンション価格の値引きができなくても、仲介手数料をカットしてくれたり、リフォームやリノベーションの価格をカットしてくれたりする場合もあるため、相談するとよいでしょう。
値引き交渉は、ただ単に「もう少し安くしてください」と伝えるのでは、売主も交渉に応じない可能性があるでしょう。
なぜ値引きしてもらいたいのかを明確化して伝えることで、値引き交渉を成功させやすくなります。例えば「水回りのリフォームをしたいから、リフォーム分を値下げして欲しい」などの理由があれば、その分の値引きを考えてくれるかもしれません。
中古マンションの老朽化が進んでいたり、設備が古かったりと、購入後のリフォーム費用がかかる場合は、値引きの交渉材料になるため、提案してみるとよいでしょう。
できるだけ、安い価格で購入したいと考えている方は、値引き交渉がうまくいきやすい物件を選ぶとよいでしょう。狙っている物件の状況によっては、希望通りの値引きに応じてもらえる可能性があります。
では、中古マンションの値引き交渉がうまくいきやすいケースを見ていきましょう。
なかなか売れていない中古マンションを購入する場合は、値下げ交渉がうまくいく可能性があります。
目安は、売り出されてから3カ月以上です。3カ月以上経っている物件は、不動産会社から価格の見直しを提案されているケースが多いので、値下げ交渉に応じてもらいやすいでしょう。
物件がなかなか売れないと、売主も焦っているため、希望額よりも高い金額を値引きしてもらえる場合もあります。売りに出している期間をチェックして、不動産会社に交渉してみましょう。
賃貸、持ち家にかかわらず、物件の購入には繁忙期があります。繁忙期を避けた購入は、購入検討者が少ないため、値引き交渉に応じてくれる可能性があるでしょう。
繁忙期は、転勤や進学がある春や秋です。この時期は、中古マンションを購入する方が増えるため、そのままの物件価格でも購入してくれる場合も多く、値引きが難しい傾向があります。
逆に、繁忙期を避けた6月〜8月は閑散期となるため、売主ができるだけ早く売りたい場合は、値下げ交渉に成功しやすいので覚えておきましょう。
値引き交渉の期待ができる方法は、現金で一括購入できる場合です。住宅ローンを組まないため、返済負担がないことは、買主にとって大きなメリットになります。
また、最速で全額回収できるので、売主が積極的に売りたい場合もあるでしょう。そのため、値引きをしてでも現金で一括購入してくれる購入者に売りたい方も少なくありません。
もし、現金一括購入ができるなら、交渉材料にして値引きを持ちかけてみましょう。
中古マンションは値引き交渉ができますが、必ずしも値引きができるとは限りません。なかには値引き交渉に失敗する物件も少なくないため、注意しましょう。その場合は、販売価格通りの価格で購入するか、さらに価格が安い物件に変更しなくてはいけません。
では、中古マンションの値引き交渉が失敗しやすいケースを見ていきましょう。
物件自体が人気で、中古マンションとして売りに出してもすぐに購入者が決まる場合は、値引き交渉は難しいです。値引きがなくても購入したい方が多いので、当然ですが安く売る必要はありません。
ダメもとで値引き交渉をした場合でも、途中で物件価格そのままで購入したい方がいた場合、そちらを優先するため、狙っている中古マンションそのものも購入できなくなります。
人気の物件を狙っている場合は、値下げ交渉をしないで早めに購入するのがおすすめです。
資産価値が高い中古マンションも値下げ交渉が難しいです。例えば、都市開発が進んでいる立地にあったり、アクセスがよく通勤に便利だったり、築年数が経っても資産価値が落ちにくい物件は値下げしにくいでしょう。
最近では、新築・中古問わずマンションの価格が高騰しています。そのため、物件によっては購入した金額よりも売却した金額の方が高いケースも珍しくありません。そのため、資産価値が高い中古マンションは、そのままの価格で購入してもお得でしょう。
売主によっては、とにかく早く売却したい方も珍しくありません。その場合は、もともと相場よりも低価格で売り出されているため、値下げ交渉が難しいケースもあります。
また、相場よりも価格を下げたばかりの場合も、値下げを断られる可能性もあるでしょう。ただし、それでも売れない場合はさらに価格が下がるかもしれません。
例えば、中古マンションの2部屋が売りに出されている場合、1部屋が売れたあとに、もう1部屋を値下げするケースも珍しくありません。そのため、必ず手に入れたい物件でない場合には、様子を見ることもおすすめです。
「マンションの値下げなんてできるの? 」と思う方も多いでしょう。しかし、中古マンションは、物件次第で値下げ交渉が可能です。ただし、必ずしも値引きできるわけではないので注意しましょう。
値引きを成功させるためにも、タイミングが重要です。値下げを希望している方は、不動産会社に相談して交渉してもらいやすい材料を用意しておきましょう。
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