人生で最も高額な買い物といわれている住宅購入ですが、補助金や減税制度を上手に活用すれば、住宅購入にかかる費用の負担を軽減できます。
この記事では、住宅購入を考えている方に向けて、活用できる補助金や減税制度を解説します。補助金や減税制度を利用する場合の注意点や申請手続きの条件をチェックして、念願のマイホームを手に入れましょう。
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住宅購入をすると、条件に応じてさまざまな補助金や助成金を受け取ることができます。お住まいの地域や家族構成によっても異なりますが、特に新築住宅や省エネ性能の高い住宅を購入した場合に、補助金の対象となることが多いです。
また、補助金がもらえるだけではなく、減税を受けられる可能性もあるため購入後の負担を軽減できる可能性もあります。住宅購入をするときに制度をうまく活用すれば、少しでも支払い負担を軽減できるため、補助金の対象であるかを確認して賢く活用しましょう。
では、住宅購入時に受けられる補助金制度を見ていきましょう。
補助金の条件や金額を確認して自分に合ったものがあるか、確認してみてください。
子育てエコホーム支援事業とは、子育て世帯や若者夫婦世帯に向けた補助金制度です。省エネ性能を有する新築住宅の取得や住宅の省エネ改修の支援をおこない、2050年のカーボンニュートラルの実現を目的としています。
注文住宅、新築分譲住宅の購入、リフォームを対象としており、それぞれ条件を満たすことで補助金を受け取れます。ただし、購入者が直接申請できない点に注意しましょう。申請する場合は、販売事業者に申請手続きを協力してもらう必要があります。
子育てエコホーム支援事業の条件や補助金額は下記をご参考ください。
補助金額 | ・認定長期優良住宅:1住戸につき100万円 ・ZEH水準住宅:1住戸につき80万円 ※市街化調整区域、土砂災害警戒区域、浸水想定区域の場合は原則1住戸につき40〜50万円 |
対象になる人 | ・2023年4月1日時点で18歳未満の子どもがいる世帯 ・夫婦のうちどちらかに2023年4月1日時点で39歳以下の世帯 |
工事の着手期間 | 2023年11月2日以降 |
交付申請期限 | 2024年4月2日〜2024年12月31日 ※予算が上限に達したら終了 |
参照:子育てエコホーム支援事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業とは、既存住宅の長寿命化や省エネ化に向けたリフォームや改修に対して支援をする事業です。良質な住宅を増やすことや子育てしやすい生活環境の整備を目的としています。
2023年度から補助金制度がありますが、2024年も継続されているため、中古住宅の購入を考えている方は検討しましょう。ただし、長期優良住宅化リフォーム推進事業も登録事業者が申請する必要があるため、手続きを依頼しなくてはいけません。
長期優良住宅化リフォーム推進事業の条件や補助金額は、下記をご参考ください。
補助金額 | ・認定長期優良住宅:1住戸につき160万円 ・評価基準型:1住戸につき80万円 ※三世代同居対応改修工事を実施する場合/若者・子育て世帯が改修工事を実施する場合/既存住宅を購入し改修工事を実施する場合は50万円を上限に加算 |
リフォーム工事の条件 | ・住宅の性能基準に適合させるための工事 ・三世代同居対応改修工事および子育て世帯向け改修工事並び防災性 ・レジリエンス性向上改修工事 ※いずれかに該当すれば適用 |
工事の着手期間 |
2025年2月21日まで |
交付申請期限 | 2024年4月15日〜2024年12月23日 ※予算が上限に達したら終了 |
ZEHとは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語です。創エネ(太陽光発電など)+省エネ(高効率設備)+高断熱の要件を満たしていることを条件に、補助金を申請できます。
ZEH住宅支援制度の条件や補助金額は下記をご参考ください。制度によってそれぞれ条件が異なるため、詳しくはZEH補助金の公式ホームページを確認しましょう。
ZEH補助金制度の種類 | 対象となる住宅 | 補助金額 |
ZEH支援事業(ZEH) | ZEH、NearlyZEH、ZEHOriented | 1住戸につき55万円 |
ZEH支援事業(ZEH+) | ZEH+、NearlyZEH+ | 1住戸につき100万円 |
次世代ZEH+(注文住宅) | ZEH+ ※注文住宅のみ |
1住戸につき100万円 |
次世代HEMS実証事業 | ZEH+とNearlyZEH+ | 1住戸につき112万円 |
ZEH住宅は、補助金を受けられるだけではなく、高断熱により室内温度を保ちやすくなったり、住宅で使用するエネルギーを大幅に削減できたりとメリットが大きいです。光熱費削減も期待できるので、資金に余裕がある場合はZEH住宅を検討してはいかがでしょうか。
各家庭で省エネ効率のよい給湯器の導入をして、省エネルギー化の促進を目指す事業です。新築物件だけではなく中古物件も対象になっているため、給湯器を新しくしたい方は注目です。
給湯省エネ2024事業の条件や補助金額は下記をご参考ください。
補助金額 | ・ヒートポンプ給湯機(エコキュート):8万円/台 ・電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリッド給湯機):10万円/台 ・家庭用燃料電池(エネファーム):18万円/台 |
対象になる人 | ・対象機器を設置する住宅の所有者である ・給湯省エネ事業者と契約を締結し、条件に満たした方法で対象機器の高効率給湯器を導入する ・共同事業実施規約にてJ-クレジット制度に参加する意思を表明している |
工事の着手期間 |
2023年11月2日〜2024年12月31日 |
参照:給湯省エネ2024事業
一定以上の性能や機能に応じた補助金の追加や、電気給湯器などの撤去に伴う費用も加算できるので、追加で補助金を受け取れる可能性があります。ただし、子育てエコホーム支援事業と併用できないため注意が必要です。
住宅購入をすると、補助金を受けられるだけではなく、住宅ローンの控除や減税を受けられます。
補助金と減税制度を併用して住宅購入時の費用を抑えましょう。
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住宅購入する場合に、毎年の住宅ローン残高の0.7%が所得税などから控除される制度です。新築住宅の場合は最大13年間、中古住宅は最大10年間控除されます。
控除額は住宅の性能によって異なるので、購入予定の住宅がどれくらい控除されるのかを確認しておきましょう。特に、長期優良住宅やZEH水準省エネ住宅など性能に優れている住宅は、借入限度額が高額になるため、ぜひ活用したいものです。
住宅ローン控除は、住宅購入後の翌年の2月16日から3月15日までに税務署に書類を提出して申請します。会社員でも確定申告として提出が必要になるため覚えておきましょう。
固定資産税の減額措置は、床面積など一定の条件を満たした住宅が受けられる減税制度です。一定期間、住宅の固定資産税が2分の1に減額される制度で、購入後の負担を軽減できます。
一戸建ての新築住宅の減税期間は3年間、新築マンションの減税期間は5年間と期間が異なるので注意しましょう。長期優良住宅の認定を受けている新築住宅は、最大で7年間の減額措置が受けられます。
申請方法は、住宅用地等申告書を作成して、お住まいの市区町村の担当部署宛てに提出しましょう。
住宅購入時に補助金を受けるときは、申請条件や手続きのタイミングに注意が必要です。補助金は期限や地域ごとの条件があり、適用外となるケースもあります。
申請しても補助金を受けられない可能性を防ぐためにも、注意点や失敗しないためのポイントをチェックしましょう。
補助金制度は、申請期間や期限が定められています。期限をすぎてしまうと、条件を満たしていても補助金を受け取ることができなくなってしまいます。1年以内ではなく、購入した年内に申請が必要なケースも多いので、必ずチェックしておきましょう。
また、人気の補助金制度は期限内でも予算が上限に達してしまうこともあるため、できるだけ早めに申請手続きを進めることをおすすめします。申請期限に間に合うように、事前に申請手順や必要な書類を確認し、スムーズに手続きが進められるよう準備を整えておきましょう。
国や自治体からさまざまな補助金や助成金がありますが、すべての補助金が同時に利用できるわけではありません。
一部の補助金制度は、他の制度と併用が禁止されている場合があり、複数の補助金を申請しても、いずれか一つしか適用されないケースがあるので注意しましょう。例えば、国の補助金と地方自治体の補助金が重複する場合、どちらかしか受け取れないこともあるため、事前に確認が必要です。
併用不可のルールを知らずに手続きを進めると、予想外に受け取れる補助金が少なくなってしまう可能性もあります。各補助金の条件を確認して、最適な組み合わせを選びましょう。
補助金制度は、限られた予算が設定されています。申請が多く集まると、予定より早く予算の上限に達してしまうことがあるので注意しましょう。
特に、人気のある補助金制度や住宅購入が増える時期には、予算が早期に上限を達成する可能性が高くなります。期限内に申請しても、予算が上限に達している場合は補助金を受け取れない場合もあるので、早めに補助金の申請をするようにしましょう。
確実に補助金を受け取るためにも、住宅購入の段階で準備を整えてスピーディーな申請が大切です。
補助金を申請するときは、国の補助金制度だけでなく、自治体独自の補助金もチェックしましょう。自治体によっては、移住促進や子育て支援、地域の活性化を目的とした特別な補助金制度が設けられている場合があります。
例えば、地方移住や二世帯住宅の購入に対して補助金が出る自治体や、子育て世帯や若年層を対象にした住宅購入支援をしている自治体もあるので、条件に当てはまる場合はさらに補助金を受け取れる可能性があります。
自治体独自の補助金は、国の制度とは異なる条件で併用できる場合もあるため、さらに住宅購入の負担を軽減できます。利用できる制度がないか、自治体のホームページや窓口で確認しておきましょう。
住宅購入は大きな費用がかかりますが、補助金を活用すれば負担を軽減できます。最新の補助金制度をチェックして条件に合ったものを賢く利用しましょう。
ぜひこの記事で紹介した補助金制度を参考に、理想のマイホームを手に入れてください。
弊社では、住宅購入前後に特化してお金の相談を承っております。「どの補助金を利用すべき? 」「住宅購入の予算はどう決めるべき? 」など、お困りのことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。