一般的な中古マンションよりも内装が新しく、デザイン性が高いことが魅力のリノベーションマンションは、選択肢の一つとして考えている方も少なくありません。しかし、リノベーションマンションには、注意すべきデメリットも多く存在しています。
この記事では、リノベーションマンションのデメリットと購入を後悔したケースをご紹介します。リノベーションマンションのメリットとデメリットを把握して、自分に向いているか見ていきましょう。
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リノベーションマンションとは、中古マンションに大規模な改修やリフォームを施した物件のことです。内装や設備を最新モデルにしており、新築同様のデザイン性や住みやすさが魅力です。
新築マンションよりも購入価格を抑えられることが多く、コストを抑えつつリフォームされた住まいを手に入れられるため、中古マンションの設備の古さが気になる方に人気があります。
購入するマンションの選択肢を広げる意味でも、リノベーションマンションも視野に入れて探すとよいでしょう。
リノベーション物件にはさまざまな種類があり、それぞれに魅力と特徴があります。
| リノベーションマンションの種類 | 特徴 |
| フルリノベーション | 内装や設備まですべて最新の住宅性能に改装 |
| 内装リノベーション | 壁紙や照明などの内装のみを改装 |
| 設備リノベーション | キッチンやバスルーム、エアコンなどの設備のみを改装 |
より新築同様の設備を求めるのであれば、フルリノベーションのリノベーションマンションがおすすめです。マンションによっては、配管や電気系統なども新しくしているため、より快適に過ごせるでしょう。
予算を少し抑えたい場合は、内装リノベーションや設備リノベーションがおすすめです。水回りのみを新しい設備にするだけでも、生活のストレスが軽減できるため、予算が限られている方にもよいでしょう。
リノベーションマンションは、予算を抑えながらきれいな内装を実現できることが魅力ですが、思わぬデメリットも潜んでいます。特に、想定よりも予算がかかる場合や、入居後にメンテナンスが必要なケースは少なくありません。
まずは、購入前に知っておきたいリノベーションマンションのデメリットを見ていきましょう。
フルリノベーションではない場合、一部の内装や設備が新しくなっても、部屋全体の構造や共用部分がリノベーションされていないケースは多いです。
そのため、築年数が経過した設備の古さが残っていると、きれいな部分と全体の印象とにギャップが生じる可能性があります。また、外壁や共用施設の老朽化が進んでいると、将来的に修繕費の負担が増えてしまう点も注意が必要です。
フルリノベーションマンションは、室内が新しく整えられても、建物の外観まで手が加えられているとは限りません。築年数が経過したマンションの場合、中古マンション特有の古さが外観に残り、見た目に年季を感じる場合も多いです。
外観の古さがマンション全体の印象に影響を与えてしまい、新築のような外観を重視する人にとってはデメリットになることがあります。
内装や設備が新しくなっても、建物自体の耐震性は築年数に依存します。そのため、必ずしも最新の耐震基準を満たしているとは限らないので注意が必要です。
特に、1981年5月31日以前の旧耐震基準で建てられたマンションは、現行の耐震基準を満たしていない可能性があり、大規模な地震に対する安全性に不安が残る場合があります。
新耐震基準は「震度6強から7程度の地震では建物が倒壊・崩壊しない」ことが基準です。一方、旧耐震基準は「震度5強程度の地震で倒壊・崩壊しない」ことが基準です。今後のリスクを考えても築年数は重要視すべきポイントでしょう。
リノベーションマンションは、建物自体の電気容量が築年数に応じた旧仕様のままになっている場合があります。現代の生活で一般的に使われるエアコンや家電製品を利用するとき、電気容量が不足し、ブレーカーが落ちやすくなる恐れがあるでしょう。
また、容量を増やす際には追加の工事が必要となる場合も多く、費用負担や工事の手間がかかるため、予算オーバーしてしまわないよう、注意が必要です。
建物の構造が古いと、断熱性能が低い場合があります。築年数が経過した物件では、壁や窓の断熱性が低いため、夏は暑く、冬は寒いと感じやすく、エアコンなどの光熱費が増える可能性が高いです。
断熱性能の向上には大規模な工事が必要になることが多いため、費用や工事期間の面で簡単に改善できない点がデメリットになるでしょう。
内装がきれいに改装されていても、建物の構造部分や配管など目に見えない箇所が経年劣化している可能性があります。
特に、給排水管や電気配線は、築年数が経つと劣化が進みやすいため、故障や水漏れなどのトラブルが発生するリスクが高まります。見えない部分の修繕は、大掛かりな工事と費用がかかることが多いため、購入後に追加のメンテナンス費用が必要になる恐れがあるでしょう。
リノベーションマンションは新築マンションや中古マンションと比べて流通数が少なく、希望するエリアや条件に合う物件が見つかりにくい場合があります。
特に、人気エリアや駅近の物件では需要が高いため、すぐに売れてしまうことも多く、希望通りの間取りや広さを備えた物件を探すのが難しい場合も少なくありません。
また、築年数や建物の構造によってリノベーションの限界もあるため、選択肢が限られる点もデメリットです。物件探しに時間と労力がかかる可能性があるため、マンション選びの選択肢を増やすとよいでしょう。
リノベーションマンションは、内装や設備を新しくしているため、一般的な中古マンションよりも割高になる傾向があります。
リノベーション費用が物件価格に上乗せされるため、同じ築年数や広さの未改装の中古マンションと比べると価格差が生じる場合が多くなります。中古マンションを購入して自分でリフォームする場合と比べて、コストが高くなる可能性があるでしょう。
新築マンションに比べて割安感はあるものの、予算に余裕がない場合には選択肢が限られる点がデメリットになります。
リノベーションマンションは、購入時には新築同様の魅力がありますが、売却時には「中古マンション」として扱われるため、次の買い手にとっては価値があまり感じられず、売却しにくい傾向があります。
また、築年数がさらに経過している分、設備や内装の劣化も目立ちやすくなります。そのため、再度リフォームが必要となることも多く、買い手に敬遠されがちです。
リノベーションマンションは、売却時に売却価格が期待通りにいかないリスクがデメリットとなります。
リノベーションマンションには、メンテナンス費用や目に見えない経年劣化などのデメリットもありますが、魅力も多くあります。特に、新築よりも購入価格を抑えながら、新しい設備が使える点は大きなメリットです。
次に、リノベーションマンションの魅力やメリットを見ていきましょう。
リノベーションマンションは、中古マンションに新しい設備や内装が導入されています。そのため、築年数は古くてもキッチンやバスルーム、トイレや給湯器などが現代的で使いやすい仕様にアップデートされています。
一般的な中古マンションに比べて、清潔感や快適性が格段に向上しているため、新築同様の暮らしやすさを実感できる点がメリットです。
特に、水回りや収納など日常的に使う設備が新しいことで、維持費も抑えやすく、快適な生活を長く続けられるでしょう。
リノベーションマンションは、新築マンションに比べて購入価格を抑えられる点が大きなメリットです。
内装や設備が新しく改装されているため、快適な暮らしができる一方、物件自体は中古であるため新築よりも価格設定が低めになる傾向があります。
同じエリアや広さで比較した場合、コストパフォーマンスが高く、予算を抑えながらも快適な暮らしを実現できる点が人気の理由です。
新築マンションの場合、完成前にモデルルームだけで判断するケースも多いです。しかし、リノベーションマンションでは実際の物件の内装や設備、間取りを確認できるため、生活のイメージがしやすく安心感があります。
さらに、細部の仕上がりや設備の使い勝手も事前にチェックできるため、購入後のギャップが少なく、納得して購入できる点がメリットです。
リノベーションマンションとしてすでに売り出されている場合、内装や設備の改修が完了しているため、購入後にすぐ入居できる点が大きなメリットになります。
新築マンションや中古マンションを購入してからリフォームを依頼する場合、完成までの期間が長くなることが一般的ですが、リノベーションマンションではその手間や時間が不要です。
転居までに余計な準備期間がいらず、スムーズに新しい生活をスタートできるのが魅力でしょう。
リノベーションマンションは、プロによって内装や設備が新しく改装されているため、購入者が自分でリノベーションの計画や業者選びをする必要がありません。
中古マンションを購入して自分でリノベーションする場合、間取りの検討や素材の選定、工事期間の調整など、さまざまな準備が必要になります。一方、リノベーションマンションならそれらの手間を省けます。
リノベーションの知識がなくても、快適な住まいを手に入れられる点が大きなメリットです。
リノベーションマンションは魅力的な部分も多いですが、実際に購入してから悔やむケースも少なくありません。特に、費用面や環境面などのデメリットが購入後の生活に影響してしまうこともあります。
ここからは、リノベーションマンションを購入して後悔したケースを紹介し、失敗しないために知っておくべきポイントを解説します。
見た目はきれいに改装されたリノベーションマンションを購入したものの、断熱材の追加や窓の改良がされていない場合、冬は暖房、夏は冷房を多用しなければならず、光熱費がかさむ原因となります。
断熱性が現代基準に満たない場合、エアコンなどの稼働頻度が増えて毎月の光熱費が負担となり、予想以上の出費に後悔するケースも少なくありません。
どの程度までリノベーションされているかを確認し、必要であれば工事の見積もりも同時にするとよいでしょう。
リノベーションマンションを購入しても、建物自体の経年劣化により、予想外の修理費がかかってしまうケースがあります。
内装や設備は新しくても、給排水管や電気配線など目に見えない部分は築年数に伴う劣化が進んでいる場合が多く、設備の交換やベランダの修繕など、大掛かりな修理が必要になる可能性もあるでしょう。
このような修理費は、管理費や修繕積立金だけでは賄えないことも多く、購入後に追加の負担が発生するため、予算オーバーとなって後悔する場合があります。
リノベーションマンションを購入した当初は室内がきれいで満足していても、住んでいるうちにマンションの共用部分の古さが気になって後悔するケースがあります。
エントランスや廊下、エレベーターなどの共用部分はリノベーションの対象外であることが多く、築年数による古びた印象が全体の魅力を下げてしまう原因になるでしょう。
また、共用部分の老朽化が進むと修繕が必要になり、管理費や修繕積立金が将来的に増額される可能性もあり、住み心地や経済面で不安が生じる場合もあります。
リノベーションマンションを購入して快適な生活を期待していたものの、隣人トラブルが頻発するケースがあります。
中古マンションをリノベーションした物件では、既存と新規の入居者が混在しており、生活習慣や価値観の違いから騒音やマナーをめぐるトラブルが発生してしまう可能性もあるでしょう。
さらに、築年数が経っているマンションは防音性能が低い場合も多く、小さな生活音でも気になりやすい環境です。毎日のストレスが積み重なり、購入を後悔してしまうことがあります。
リノベーションマンションに興味を持っても、購入前に気になるのが実際の住み心地やデメリットです。
リノベーションマンションは内装や設備が新しく、快適な暮らしが期待できる一方、築年数が経過している建物のため、共用部分の古さや断熱性能などが気になることもあります。
希望する入居日が決まっていない場合は、まずは賃貸でリノベーションマンションに住むこともおすすめです。リノベーションマンションの良し悪しを体感しながら判断できるので、物件の特性や自分に合うかどうかを見極めることができます。
賃貸で住んでみて、リノベーションマンション特有のデメリットが多く感じられた場合、新築マンションの購入を検討するのも一つの手です。
新築マンションは、最新の耐震・断熱基準を備えていることが多く、防音や共用部分の清潔感もあるため、より快適な住環境を求める人に向いています。また、メンテナンス費用が必要な場合や、自分で追加のリフォームを検討している場合は、新築マンションと費用があまり変わらないケースも少なくありません。
賃貸でリノベーションマンションを試してから、新築との比較をして購入判断をすると、後悔のないマンション選びが可能になるでしょう。
リノベーションマンションには、物件の価格面や設備面での魅力がある一方、予算超過や将来的な資産価値の低下などのデメリットも存在します。購入を検討する場合は、メリットとデメリットをしっかり比較して決めることがポイントです。
自分のライフスタイルや長期的な視点で慎重に判断し、後悔のないマンション選びを目指しましょう。
弊社では、住宅購入前後に特化したお金の相談を承っております。「新築マンションとリノベーションマンションはどっちがお得？ 」「マンションの購入予算はどれくらいが適切？ 」など、お困りのことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
