「貯蓄から投資へ」という言葉を聞かれたことのある方も多いのではないでしょうか。
政府も「資産所得倍増プラン」をかかげ、国民が投資することを応援しています。
「資産所得倍増プラン」とは、国民の保有している現預金を投資につなげることで各企業の成長に繋がり、それが結果として国民に返ってくるという好循環を生み出すための施策です。
その中でも、NISAの口座数を5年で倍増させたり、買付額を倍増させたりということが目標のひとつとされています。
(参考)金融庁 QUICK資産運用討論会 資産所得倍増プランについて
https://www.fsa.go.jp/common/conference/danwa/20230119.pdf
ただ、いきなりそんな事を言われてもどうしていいかわからないという方も多いのではないでしょうか。
NISAとはいったい何?貯金とどう違うの?と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、投資初心者の方でもわかるようにNISAと貯金の違いについて記載しています。
また、どのぐらい投資に回せばいいのか、iDeCoとはどう違うのかということに関しても記載していますのである程度NISAについて知っている方であっても、得るものがあるはずです。
是非、最後までお読みください。
こちらの章では、預金とNISAがどう違うのか解説していきます。
預金とNISAの違いですが、一言で言うと、「預金は元本が保証されているが、NISAは保障されていない」です。
預金は預金保険制度によって、1人あたり、1金融機関1,000万円までの元本と利息が保護されています。
※預金保険制度対象外の預金もあります。
(参考)金融庁 預金保険制度
https://www.fsa.go.jp/policy/payoff/
一方、NISAは株式や投資信託へ投資をするため、元本の保証はありません。
ただ、NISAは、NISA口座内の投資商品を売却した際の利益や配当に対して税金の優遇があったり、運用が上手くいけば預金するよりもお金が増える可能性があります。
以下にNISAの種類について簡単にまとめてみました。
また、2024年からNISA制度が大幅に拡充となります。
今後、ますます投資がしやすい環境となりますので、是非、今のうちに制度の基本を学んでおきましょう。
つみたてNISA | ジュニアNISA | 一般NISA | |
利用できる人 | 口座を開設する年の1月1日現在、日本にお住まいの20歳以上の方 | 口座を開設する年の1月1日現在、日本にお住まいの未成年者の方 | 口座を開設する年の1月1日現在、日本にお住まいの20歳以上の方 |
非課税対象 | 一定の投資信託への投資から得られる分配金や譲渡益 | 株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や譲渡益 | 株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や譲渡益 |
口座開設可能数 | 1人1口座 | 1人1口座 | 1人1口座 |
非課税投資枠 | 新規投資額で毎年40万円が上限(非課税投資枠は最大800万円) | 新規投資額で毎年80万円が上限 | 新規投資額で毎年120万円が上限(非課税投資枠は最大600万円) |
非課税期間 | 最長20年間 | 最長5年間 | 最長5年間 |
投資可能期間 | 2018年~2042年 | 2016年~2023年 | 2014年~2023年 |
投資対象商品、その他 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 | 株式・投資信託等、【運用管理者】口座開設者本人(未成年者)の二親等以内の親族(両親・祖父母等) 【払出し】18歳までは払出し制限あり | 株式・投資信託等 |
(参考)金融庁 NISAとは?
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html
今回は、NISAの中でも、積立貯金と同じように自動で積立をする「つみたてNISA」と貯金との違いについて詳しく解説をしていきます。
貯金をした場合、積立NISAの20年間の最大非課税枠である800万円を貯めるには何年必要かを試算してみましょう。
現在の300万円未満の預金の平均金利は0.005%/1年です。
(参考)株式会社日本金融通信社 預金平均金利(2023年2月20日9時現在)
https://www.nikkin.co.jp/kinri/average.html
つみたてNISAは毎年40万円が投資上限である為、毎月約3万3,333円投資が可能。
毎月の投資額を3.3万円とし、預金金利0.005%/1年で800万円を貯めようとすると積立期間は20年3ヵ月必要です。
(参考)金融庁 資産運用シュミレーション 何年間積み立てる?
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html
つみたてNISAを活用した場合、20年間の最大非課税枠である800万円を貯めるには何年必要かを試算してみましょう。
「金融庁 つみたてNISA早わかりガイドブック」、20年間の運用成果(年率)の上限と下限の利回りを参考に、運用利回りを2%で運用した場合、8%で運用した場合でそれぞれ資産してみました。
(参考)金融庁 つみたてNISA早わかりガイドブック p6
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/guide/index.html
毎月の投資額を3.3万円とし、運用利回り2%/1年で800万円を貯めようとすると積立期間は16年12ヵ月となります。
毎月の投資額を3.3万円とし、運用利回り8%/1年で800万円を貯めようとすると積立期間は12年1ヵ月となります。
(参考)金融庁 資産運用シュミレーション 何年間積み立てる?
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html
投資という意味ではリスクはあるものの、NISAを活用することでより早くお金が貯まる可能性があることがお分かり頂けたのではないでしょうか。
先ほどの章では、つみたてNISAを活用することで目標金額を積み立てるまでの期間が短くなる可能性があることがわかりました。
とは言え、いったいいくら毎月投資すればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
この章では、つみたてNISAを活用し、どのぐらいを毎月投資すれば良いのかについて説明します。
利回りを変えて、最大非課税枠である800万円を最大非課税期間20年間、投資した場合のシュミレーションを表にしてみました。
年間利回り | 2% | 5% | 8% |
毎月の積立金額 | 27,137円 | 19,463円 | 13,582円 |
(参考)金融庁 資産運用シュミレーション 毎月いくら積立てる?
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html
800万円を貯めるのに、期間が同じであれば利回りが高いほうが毎月の積立額が少なくてすみます。
ただ、利回りの高いものに関しては一般的にリスクも高くなります。
ご自身がどの程度リスクを取れるのかや、毎月どのぐらい投資に資金を回すことができそうかなど、総合的に考え投資をされるのがよいでしょう。
ここまではつみたてNISAについて説明してきましたが、iDeCoという言葉を聞かれたことがある方も多いのではないでしょうか。
iDeCoという言葉は聞いたことがあるがいまいち制度やNISAとの違いがわからないという方も多いと思います。
iDeCoとは個人向け確定拠出年金のことです。税制の優遇が充実していますが、年金のため、途中で引き出しができないなどのデメリットもあります。
NISAとiDeCoの違いについて以下の表にまとめてみました。
iDeCo | NISA | |
対象者 | 自営業者、専業主婦、会社員、公務員 | 20歳以上の居住者 |
年間拠出額 | 自営業者81.6万円、専業主婦27.6万円、会社員14.4万円、公務員14.4万円 | 40万円 |
非課税期間 | 制限なし | 20年間 |
税制上のメリット | 掛金が全額所得控除、運用益が非課税、受給時の退職所得控除等 | 運用益が非課税 |
投資可能商品 | 投資信託、保険商品、公社債、預貯金など | 上場株式・ETF・公募株式投信・REIT等 |
途中引き出し | 60歳まで(例外あり)不可 | いつでも可能 |
(参考)金融庁 教えて虫とり先生
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/attention/01/01_07.html
それぞれメリット・デメリットがありますが、NISAとiDeCoを併用することも可能です。
上手く両方を組み合わせて資産形成ができればよりスムーズに将来設計ができるかもしれません。
貯金とNISAの違いやNISAとiDeCoの違いについて説明してきました。
それぞれメリット・デメリットがありますが、貯金もNISAもiDeCoも併用が可能です。
併用をすることでより早く、またはより少ない投資金額で将来設計が可能になる可能性があります。
国もこれらの制度の後押しをしてくれているので、内容をしっかりと理解したうえで、上手く活用できるといいですよね。
弊社では、どのように資産形成をしていけば良いのかなどのアドバイスを個別に行っています。
興味はあるけれど、自分では資産形成をどうやってすれば良いのかわからない、投資に一歩踏み出すことができないという方は、是非一度、弊社スタッフまでご相談ください。